朧月夜。の置き場


□11.
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おだんごとのんびりとした時間を過ごしていたら、


ガタゴト、バタンっと物音がする。


「あ、起きてきたな……。」


一部屋の物音がしたと思ったら、もう一部屋もバタバタと音がしてくる。


「ふぁ〜・・・。」

大きな欠伸をしながら寝癖まみれの今起きたんだろうという感じの夜天と、
身支度もすっかり済まし、きっと早くに起きててリビングに来なかったのは俺たちに気を遣っていたんだろうと予想できる大気が、
2人連れだってリビングのドアを開けて入ってくる。




「・・・おはよ。」

「おはようございます。月野さん、昨晩はよく眠れましたか?」


挨拶そこそこに朝食を見つけて当然のようにレンジで温めて食べる準備をする夜天。

その姿に呆れつつ、おだんごに話し掛ける大気が、作られた朝食をみて、俺が作ったのか?と目線で聞いてきたので、俺も無言で首を振る。



俺じゃないならおだんごが……、と理解したらしい大気、
温め終わったものを無言で食べようとしている夜天に、合図して、夜天もおだんご作だと理解したらしい。

「月野、ありがとう。いただきます…。」

と、ぶっきらぼうに言い、そのままデッカイ口開けて目玉焼きを頬張っていた。



「月野さん、お気遣いありがとうございます。私たちの分まで、頂きますね。」

夜天の後に大気も自分の分を温めて、2人ともあっという間に完食していた。


お礼を言われたおだんごは、「そんな・・・」とオロオロとしてしまっていたが、「素直に受け取っとけば。」と俺が言うと、まだ申し訳なさそうにしていたが、納得したようだった。




夜天が当然のように置いていた皿と自分の皿を洗い終わり、俺たちが入れていたコーヒーの残りをコップに入れてソファに座った大気。

夜天は食べ終わったらさっさと身支度をしに部屋を出ていった。



ふぅ、とコーヒーを飲んで他愛ない話を3人でしていると、
身支度や着替えを済ませてきた夜天が、ズイッと携帯の画面を見せてくる。



「あのさ、今日はどーするの?って美奈から鬼のように連絡が来てるんだけど。」


ひっきりなしに送られてくる愛野からの連絡画面を見せられる俺たち。


「今日、どーするかクイーンは何か仰ってる?」
「私たち行った方が良いよね?」
「星野くんとクイーンの様子は?」
「クイーンはどうされてる?」
「夜天くん?」
「ねー、起きてる?」
「返事して!」
「家に居るよね!?」
「今から行ってもいいかしら?」

などなど・・・。


こんなに連絡来ているのに返事してやらない夜天も、返事が来ないのに送り続ける愛野もすごいな・・・。

と、別の方向に興味をそそられてしまう。



「私の方にも、亜美さんから来ていましたよ。
適当な時間になったら皆で伺いたいと、何時からがいいかと来てました。」


「おいおい、来るのは決定してる口振りじゃんか。
あー、そうだな。今からでも来てもらえよ。おだんごもそのほうがいいだろ。」


おだんごのほうを向くと、「そうですね。」と頷く。


俺の言葉に、大気と夜天は了承したようで、2人して携帯で返事を打っているようだった。


大気の携帯はピコン、と1、2度着信が鳴った程度だが、
夜天のほうは相変わらずピコピコ、ピコピコ鳴っていた。





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