朧月夜。の置き場


□01.
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ここは、30世紀―――。


地球、首都クリスタル東京。







この国は、
1人のクイーンと、そのクイーンを支えるキング、

そして、それらを守護する守護戦士によって、


日々、平和な日々を送っている――…。




クイーンは、毎日無駄に広い領土の安定を保つ為、

忙しなく業務をこなしていた。



勿論、今日も愛娘や夫に励まされながら、
いつ終わるか判らない程の書類と向き合っていた。



根を詰めすぎた、と少しお茶を飲みながら
プライベートな書斎と執務室を兼ねた部屋で、
少しの休憩を取っている最中だった。




埃被った棚が目に入り、
不思議がる。



このクイーンの住む王宮には、
何百人という使用人が雇用されている。
当然、掃除のメイドも居る。





そんな中に、何年も誰も触れていない事が分かる、

それ程に埃被ったスペースがあることに、
怪訝な顔をしながら近付いた。




「何で今まで気がつなかったのかしら…。」


明らかに職務怠慢。




きちっとしておかねば、
雇用者としては黙っておけない。


ミスを許せば、真面目にやってる人間に示しがつかない。





そう思い、

常に周りにも、勿論自分にも職務には怠りのないようにと

頑張ってきたつもりだ。







そっと立ち、その棚に向かった。

埃に気管を詰まされゴホゴホと咳をしながら、
棚を開け、埃で読めない背表紙を見た。


題名なんて、見なくても分かった。



その懐かしいモノたち……。





置いてある箱の蓋を開ける。


綺麗に箱詰めしたその中は、
かつての超絶人気アイドルグループ、「スリーライツ」
彼等のCDなどが敷き詰められていた。




埃を払い、その中の1つを取り出した。





「・・・これ……。」



取り出した1枚の
ミニポスター。


限定品とかで、
‘彼’に無理やり渡されたモノ。



欲しくないと駄々を捏ねた私に、
サインまで書いて寄越したそれは


綺麗に保護して、
大切にしまっていた。





‘彼’――――星野のポスター。




楽しかった思い出の写真たち。

もう遠い過去過ぎて、
懐かしく思い出すこともないけれど、

確かにあったその頃を
忘れたりはしない。







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