朧月夜。の置き場


□02.
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目を覚ますと、

昔見慣れた、自室の風景が
目の前に広がっていた。




あたしはベッドに寝転がった状態で、
吸い込まれた時に来ていたドレスのまま、
倒れ込むように寝ていた。






皺々になった裾を伸ばしながら、
考えに考え、現在地を推定する。



どう考えても、推理をしても、

ここは、過去――・・・

自分が昔過ごしていた部屋だという結論へ向かう。





それしか考え着かない……。





意識を手放す前の、
夢の様な出来事は、現実―――?

本当にあたしは、過去に来た…?




お気に入りだったの全身鏡の前に立った。


姿は未来の姿のままだ。

なら、スモールレディがやっていたような、
自分の体だけを過去未来を往き来しただけと
言うことでよいのだろうか…?




鏡が一瞬、湾曲する。





『過去に来た感想はどうだ?月の姫よ。』



「クロノス!
やはり、ここは過去なのですか…?」





鏡の中には、黒い珠が浮かび、
言葉を放つ旅に、収縮している。





『我が送ったのだ、失敗はない。
その時代の月の姫には、退場して頂いている。
存分に過去を楽しめ。』



「退場って、昔のわたくしを、
どこへやったのです…?」






何故、クロノスがこんなことをしてくれたのかも
何も分からないが、

取り敢えずは情報を聞こうと、質問詰めにする。




『心配するな。
寝たまま、亜空間の世界にいる。
害はない場所だ。

同じ魂を同じ世界には置いておけないからな。』



過去の自分が無事だと知り、
安堵する。




「わたくしを、どうして過去へ…?」





『別に過去に飛ばしたかった訳ではない。
そなたが願った事を実行しただけだ。
冥王星の姫には内緒だがな…。』




冥王星の姫…?

あ、プルートの事か・・・。





『そなたも元居た世界だ。
我が居なくとも勝手は分かるだろう。』




「え…?あっ、ちょっと!
どーしてたらいいというのですかっ」




言いたいことだけ言って消えるなっ




『期間は3日だ。楽しめよ?』





それだけ言って、クロノスは消えていった。






「ど、どーすればいいのよ〜。」




昔の様になりながら、あたしは途方にくれてしまった。






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