朧月夜。の置き場


□03.
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「星野くん、もううさぎちゃん家に着いたかしら…。」



美奈子が心配そうに言う。




「さすがに、無理よ…。
物理的に考えても、最低でも10分は掛かるもの。」



亜美が、心配そうにしながらも、
冷静に言う。





「いいわ、何があったかは分からないけど、
星野くんに任せましょ。」



レイが、心配していても仕方がない、と
持ってきた荷物を開けていく。



次々と開けていくお菓子やジュースを、
手際良く配った。



レイのその行動に驚きながらも、
賛成、というように、
夜天やまことも、それを手伝う。






大気は、1人嫌な予感を感じながら、
皆の様子を見ていた。












「はるかパパ…みちるママ……。」




「どーしたんだい、ほたる?」

「珍しいわね、ほたるがこんなに寝起きがいいなんて・・・。」





はるかとみちる、せつなとほたるで住む、
カントリー風な一軒家で、

まだ幼いほたるをあやすはるか達。





「すみません……、昼寝をしたと思ったら、急に起き出して・・・。」


おもりをしていたのだろうせつなが、
ほたるの後を追って
はるか達が寛いでいたリビングに入ってきた。






「まあ、ほたる…?何か怖い夢でも視たの?」



リビングの入り口で佇んだままのほたるを、
あやすように抱き上げ、

尋ねた。







「……月のクイーンが舞い降りた。
クロノスの力によって・・・


早く、クイーンの下へ――…。」




それだけ言うと、ほたるはまたも眠りについた。




「月の……クイーン・・・?」


「うさぎのことかしら?」




「クロノスが…、」






解らないという顔をするはるかとみちるとは違い、

クロノスという言葉に、
全てを理解したかの様なせつなが、


はるかとみちるを急かした。






「早く!出掛ける準備をして下さいっ
プリンセスの下へ――…!」



「せつな?なんだっていうの…?
うさぎに何が起こったのっ?」




せつなの異変に、みちるも慌てながら、
言われた通りに出掛ける支度を始める。



はるかも同様に、
みちるが抱いていたほたるを受け取り、

子供部屋に向かって、ほたるを着替えさせ始める。






「詳しくは道中でっ!
プリンセスに害はないとは思いますが…、
兎に角、急がなくては…っ」





ほたるを着替えさせ、
眠気眼の少女を抱いたまま、

はるかは車のキーを取り、
先に玄関を出る。



みちるとせつなもそれに続き、

車に乗り込んだ。






行き先は、プリンセスの自宅―――…






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