朧月夜。の置き場


□05.
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呆けていた面子も、

うさぎの話や、せつなの話を聞いていく内に、


状況を理解、というか、
分からねばならないのだと理解する。



つじつまの遇わぬ事や、
理解が越える出来事は敢えて無視をした。


目の前に起こっている事は事実で、
リアル体験してしまっている、


――――紛れもない事、なのだからと。





「……で、概要してしまうと、
月野さんがたまたま見付けた、私達のCDを見て、
昔を懐かしく思っていた所に、
時の神であるクロノスが現れ、褒美だと言って過去へ連れてきた、と。」




「………はい、その通りです。」



口で簡潔に説明されるとなんとも間抜けな話なのか・・・。


うさぎは肯定をしながらも、
少し自分が情けなくなってしまった。





「で、現在の月野さんはというと、
あなたが居る間は同一人物が一緒の時空に居れないと、
どこか別の次元に隠された、と
そしてあなたの期限は3日、
あなたが帰ると同時に月野さんも解放されるであろう……
と、それで間違いないですか?」




要約した内容を、スラスラとメモしながら解説する大気。



うさぎはそれを聞きながら、
申し訳なさでいっぱいだった。





自分の言った、叶いもしない筈の我が儘に、
何故クロノスは褒美だと言って叶えてくれたのだろうか…?



そしてその我が儘のせいで、
私は今、どれ程の方々に迷惑を掛けているのだろうか……。




概要が分かり、

皆が気持ちを落ち着かせるのとは反対に、


うさぎは顔を蒼白にさせながら、
みるみる内に落ち込んでいた。



なぜ、どうして……?


うさぎの気持ちはその言葉でいっぱいだった。





そんなうさぎの姿に、
星野はぽんぽんと背中を叩き、

そして撫でてやる。



星野の行動に、戸惑いながも、
背中の空いたデザインのドレスを着ている為、
直に触れる星野の温もり。



うさぎはその温もりを感じ、
心が穏やかになるのが分かった。

同時に、気恥ずかしく、今度は紅くなる顔。



それを見て、星野は少し笑ってしまった。




その様子に、先程までのうさぎの様子を心配していた面々も
少なからず微笑みが出た。






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