本編

□第伍章
1ページ/6ページ








「・・・はあ、つまんねーの……。」





只今真っ昼間の下忍任務中。



詰まらな過ぎる任務に、
俺は欠伸をしながら耐えていた。








・・・なんだって暗部総隊長であるこの俺がっ、

飼い猫探しなんてしてやなくちゃなんねーんだ。





じじい……、後で覚えてろよ・・・。








この間からの俺の任務、



飼い猫探し、
無駄に広い武家屋敷の庭の草むしり、
農家の収穫手伝い、
大名の娘(二歳)のお守り………、






これが忍者の仕事なのか!?

ってのばかりだぜっ。




いくら下忍でも、
ここまでひどい任務ってありかよっ!







チャクラや忍術を隠す必要すらないやつばっかりだ。




シカマルはもう遠方任務に就いたって話してたぞ?


俺たちの班、おちょくってねーか?





いや、まじで。






やる気はねーけど、
こんな任務ばっかじゃさすがにキレるぞ。



表がこんな楽な任務ばっかしてるから、
俺たち暗部がこんなに忙しいんじゃねーのかよ。






飼い猫のトラを依頼人に渡し終え、
今回の任務は終了。




でもあのいやがりようは・・・


またいつか逃げ出すな…。







それから次の任務を宛てがおうするジジイ。


聞いていたら、
まーたろくでもないのばっかだ。




表でもそろそろダダをこねてもいい時期、



俺は演技をしながら、本心で依頼を拒否する。






サスケは同意見だという顔。


サクラはめんどいという顔をしながら、
言うのが遅い!と密字を送ってくる。


やはり下忍任務に飽き飽きした様。




そろそろ来る頃だと、カカシも思っていたようで、

呆れながらこちらを見ていた。






イルカ兄は怒った振りをしながら、
そーだよなあ、と同情してきた。


イルカ兄ですらここまでフザケた任務はなかったらしい。




俺は演技を続けながらイルカ兄と言い合いし、
カカシにゲンコを貰う。



その瞬間、

イルカ兄の凄まじい殺気が溢れてきたが、

ジジイがフォローするように言葉を続けたので、



・・・・事なきを得た。





ジジイは隣で少し目の色が変わったイルカ兄を
必死に抑えているのが、


見なくても判ってしまう……。





サクラはそんなイルカ兄に溜め息を送り、



「あんたの周りはブラコンだらけね……。」




・・・と、呟いてきた。







別に俺が望んだ訳でもないけど、


確かにそうだな……。





ジジイのイルカ兄を抑えながらの説明を、
俺は右から左へで聞いた。







次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ