拍手小話置き場。


□ナルトとネジのお話。ネジのナルトへの想い。(NOTびー〇る)
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「ネジ?」




在らぬ方向を見ている俺に、
総隊長こと、うずまきナルトは怪訝な顔をしていた。




「あ、悪い…、ちょっと呆けてた。」



「ネっ、疾風にしては珍しいな………、
菖蒲(ヒナタ)とでも何かあったのか?」




暗部任務中だったことを思い出したかのように、
暗部名に言い換えるナルト。



人の干渉が、表でも裏でも好んでいない俺だが、

ナルトに、プライバシーの話を聞かれるのを、
悪い気はしない。



「何もないさ……。」






生まれた時から、ナルトはほぼ親と離れ、

日向家か、火影様の家で過ごしていた。




殆ど兄弟の様に育てられたと言っても、
過言ではないと思う。





ナルトが1人で屋敷に住みだすまで一緒に暮らしたが、
ナルトの心はいつも閉じていて、
俺に向く事はあまり無かった



が、


何時からだろう・・・。




ナルトが俺たちを気にかけ、

話し掛けたり、感情を出してくれるようになったのは……、





いつだっただろう・・・・。







サスケの様に、俺の心には、
復讐の炎があった。


サスケ程、表に出していた訳ではない、

ただ、自分の心に、理解出来ても納得出来ない怒りがあったから。



仲の良いフリをした。

何も問題のないフリをしていたんだ。





ナルトは…、いつから俺を見ていたのだろう。



そんな俺に気付いていた。





別に、特別何かしてくれた訳じゃない。

ナルトは、行動ではなく、


自分の心で、想いで、言葉ではない形で、



黒く染まっていた俺の心を救い出して、

道を変えてくれたんだ。





父の復讐を日向にしたくて、
父への想いが心を暗いものにしてしまっていた。


ナルトはいつから知っていたんだろう。



或いは、

あいつも同じ感情になった時があるのだろうか・・・。






暗い心が、

自分を想ってくれてる仲間を、
同じ様に想わせてくれなかった。



いつも斜めから構えてしまっていた。





そんな自分が、心底嫌だった。


ちゃんと仲間になりたかった。
ちゃんと、向き合いたかった。


馬鹿みたいに信じてくれてたから。


馬鹿みたいに、仲間と想ってくれていたから。



みんなが・・・・。




ナルトは、斜めからしか見ていなかった俺に、



それを真正面から見ろと、

見れる場所を造ってくれたんだ。





自分を慕ってくれたヒナタへの想いも、

曲がった形にしか受けてなかった俺が、


真摯に受け取れる様になれた。




ナルトのおかげだ・・・・。







ナルトは、俺に今の世界をくれた。



だから、俺はナルトの世界を護る。

ナルトを護る。


ナルトの大切なモノを護り続ける。





俺に大切なモノをくれたナルトだから。


大切なんだと教えてくれたナルトだから。




ナルトは俺たちに救われたと言う。



俺たちは、それぞれ抱えていた闇を

ナルトが取り除いてくれた。


ナルトに救われた。




「おい、疾風?
まだ任務中だぞ、呆けるのは家に帰ってからにしろ。」


「・・・ナルト。」




暗部名をわざと遣わない俺に、
ナルトは少しきょとんとした顔をする。


「……なんだ?」



「ありがとな……。」




お前に貰った世界は、苦しい悲しい現実も多かった。


でも、それ以上に幸せがあった。





俺に真正面を受け入れる覚悟をくれて、



ありがとう……。




「…ネジ、お前の笑顔は気味悪い・・・。」




………、先程の感謝の言葉は取り消すとしよう。
 

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