拍手小話置き場。
□ヒナタ視点でのお話。休日の過ごし方。
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「ヒナター!!」
「ヒナ姉様〜!」
私の可愛い妹と、同班のキバくんが、
自宅の演習場の木陰で休む私に向かって、
楽しそうに走って来ていた。
下忍の任務も、特暗の任務も休みという滅多にない休日。
我らが総隊長であるナルトくんが、
表の長期任務で木の葉を離れているため。
というか、遠征ついでにと、殆どの遠方任務を取っていっちゃったから。
(多分、サスケのストレス発散用)
私達は近場の任務、しかも簡単なのしか残ってなくて、
特暗に廻す程の案件はないからと
思わぬ数日間の休暇を頂いた。
まあナルトくんのなんとも有難い我が儘のお陰で、
久し振りの可愛い妹との休日を過ごしている。
「……のに、何でキバくんも引っ付いて来るのかしら・・・。」
「か、かてーこと言うなよ、ヒナタ!
俺だって久し振りの休暇なんだからよっ」
「そうよ、姉様!
すっごく久し振りに会えたのだから。」
「まあ、ハナビがそう言うのなら良いけど…。」
私のその言葉に、ほってしているキバくんとハナビ。
「よしっ!
じゃあ修行の続きをするかっ、ハナビ♪」
「はい!キバ先生っ♪」
二人して仲良く手を繋ぎ、
演習場の真ん中辺りで、組み手を始める。
本当に、久し振りの休日なのだから、
遊びにでも行けばいいのに、
「修行付き合って下さい!」だなんて、
我が妹ながら、先が楽しみだこと。
キバくんは友達で、
良い人だと思うし、
一応、木の葉七大名家の一家の子だし、
特暗勤務でお金も持っているし、
あの位の強さを持っているなら、表でもこれから出世しそうだし、
……………けど、けど、
けど!!!!
ネジ兄様に付いて、家に遊びに来ている間に、
私の可愛いハナビと付き合っちゃったなんて、
今でも何となく不満が残る…!!
付き合ってると初めて知った時は、
本当にキバくんを抹殺しかけたわ。
そのちゃっかりさに本当に腸煮えくり返るけど、
ハナビがとても幸せそうにキバくんの事を話すから、
そろそろ許してあげなきゃとも思うけど……。
小春日和の空。
そろそろ冬は終わりかな…。
少し肌寒い木陰の中で、
私は仲の良さそうにはしゃぐ二人を見る。
私も、ネジ兄様と居るときは、
あんなに笑顔で居れてるのかしら…。
「……はあ、汗掻いたーっ」
「暑いですー」
「お疲れ様、二人とも。」
いつの間にやらこちらに来ていた二人。
汗だくの身体を拭いていた。
「やーん!自分が汗臭いですっ」
「大丈夫だって、ハナビは臭くないぜ?」
「だめです、だめです!
姉様の様に、いつもいい匂いで居たいんですっ」
キバくんの慰めにも反発して、
ゴシゴシと身体を拭いていくハナビ。
……私、匂いなんて香るのかしら・・・?
「姉様はいつもいい匂いがするんです!
姉様な様に、私もなりたいんですっ」
「ハナビならぜってーなれるぜ!
俺が保証するっ」
そうキバくんが言うと、はにかんだ様に綺麗に笑う妹。
こんな顔が出来るようになったのも、
キバくんへの想いからなのだろうなあ…。
久々に休日を一緒に過ごして、
私の様になりたいと言って貰えて、
あんな笑顔を見せてくれて、
悪くない休日。
それをくれたのがキバくんの力なら、
認めてあげてもいいかなって思う、冬の終わりの午後。
まあ、まだまだハナビは私のモノだけどね…?