「おー…やってる、やってる!」
広い青空の下、大きなグランドで彼はより一層輝いてる。
今日は、西浦野球部の大切な試合!!
応援しに来たって言ったら、文貴驚くかな?
カキーン、と金属音がよく響いて、真っ白な野球ボールが空高く舞い上がる。
(みんな…青春!って感じで羨ましいなー…)
白球はそのまま、青空を走ってレフト近くまで飛んでくる。
(お!!文貴、出番なんじゃん?)
向こうベンチの歓声か、西浦ベンチの歓声か分からないけど…盛大になる音に紛れて口を開く。
『文貴ー!愛してるー!!』
より一層歓声が大きくなって、文貴は驚いた様子で自分のグローブを見つめた。
おいおい、自分で取っといて驚くなよ!
「ふー…よかったー」
見てるコッチがヒヤヒヤするよ…
そんな私の思いも知らずに、文貴はクルッと振り返って
『俺もー!』
と、グローブに収まった白球を見せた。
愛の力って実在するんだ
(君の言葉が聞こえた気がしてさ!!)(俺も愛してる!)
2007.0807.