「いっつも、思うけどさー…弁当は?」
「無いよ。購買で十分じゃん」
私の昼ごはんを覗いて、彼は毎日のように呟く。
「大抵の女子は弁当じゃん。本当、女子っぽくねー…」
「すみませんねー!私、料理は大の苦手なんですー!!」
若干、皮肉気味に言うと泉は笑い出した。
「なんで笑うの」
「いや、おまえさー誰も嫁に貰ってくれないぜ、絶対!!」
失礼な!!、と言おうとすると、笑いの発作が治まったのか…泉がポツリと呟いたのを聞き逃さなかった。
「そん時は、俺が貰ってやるよ」
「え?」
「じゃ、ゴチソーサン」
ニカッと笑うと、私が買ってきた(私の)コーヒー牛乳を掻っ攫って行った。
何が起こったのか一瞬、分かんなかったけど
理解出来たときには顔が真っ赤になっていた。
彼が持って行ったもの
(彼はコーヒー牛乳だけでなく、私の心まで持って行きました!!)
2007.0807.