心の精霊

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「何するつもり?、すぐに警備員が来るよ」


「なので急いでいる。君達は早く帰るといい…不審者として捕まってしまう前にな」


『あっ…』


私達に構っているヒマはないとでもいうように女性は地下水道の中に入って行った



『何者だったんだろ…

(色々ありすぎて聞くの忘れてた…)』


「あの…さっきは助けてくれてありがとう

それと、その…ごめんなさい」


『えっ?、あぁ、気にしないで

私も貴方に「っ!、危ない!」…わっ!?』


道がすぐ近くまで消えているのに気づいた少年は私の手を引いて地下水路の入り口まで走った




――





『ありがとう、また助けられたね』


「また…?」


『うん、だからこちらこそありがとう!(ニコッ)』


首を傾げる少年にお礼を言うと少年は顔を赤らめて視線をそらした



『…?、でも、これからどうしよう』


「うん、道は消えたから

…怒られるのを承知で奥に進むしかない、かな」


『じゃあ出口まで一緒に行こうよ!

えっと…あれ?、そういえば名前聞いてない、ね』


「……フフッ」


『何で笑うの??』


少年が訳も解らず笑うので私は首を傾げた



「ううん、なんだか不思議な人だなって…

僕はジュード、ジュード・マティス」


『私はルナ、よろしくジュード!』


私達は互いに笑って女性が進んだ道を歩きだした…





―これが私の人間との初めての会話

初めての名乗り…











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