心の精霊
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―イラート海停から北にある街道を私達は進んでいた
その途中に何度か魔物と戦ったが“リリアルオーブ”という共鳴技ができるようになる装飾品のおかげで難なく進んでいた
「そういえばルナ、もう身体は大丈夫?」
戦闘後、各々が武器をしまうとジュードが私に声を掛けてきた
『おかげさまで、もうすっかり元気だよ!』
「元気がありすぎて、援護が大変だけどな」
『(ギクッ)…とても助かって、マスヨ』
「こっち見て気持ち込めて言えよな…」
フイっと斜め下に視線を落として棒読みで言うとアルヴィンが冷めた目をして言った
「いいではないか、頼もしい事には変わりないのだから」
「それにさっきの二人の共鳴技凄かったよ」
『……』
二人の言葉の対応に私はどうしたものか困った
―心の精霊が故なのか、それとも自意識過剰なのか、アルヴィンは私と狙って共鳴をしている気がする
そこからついアルヴィンの負の感情を思い出し複雑になるのだ
『(関係ない、気のせいだよ…きっと)』
アルヴィンを庇うのとはまた違うが、そう言い聞かせて私は皆の遅れをとらないように歩いた…
〜第二章 責任と覚悟〜
―それから私達は難なく進み、小さな村“ハ・ミル”へとたどり着いた
『のどかで暮らしやすそうな村だね』
「そうだね
…僕の故郷の《ル・ロンド》に感じが少し似ているのかな」
『(確か、ジュードはイル・ファン育ちじゃないんだよね…
ル・ロンドってどんな所なんだろ?)』
と考えを廻らせていると一人の老婆が、ニコニコと優しそうな笑みを浮かべながら私達のところにやって来た
老婆はこの村の村長で、色々聞いたところ二・アケリアは今はあるかどうか解らない、
ハ・ミルの人々は二・アケリアを忘れられた村として認識しており、行き来も全くないと言った
二・アケリアの存在が心配になった私達だが、ミラがずっと住んでいたという言葉に安心した…