心の精霊

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「ハハ、随分察しのいいお嬢さんだ

大人しくついて来れば痛い目に遭わず済んだのに…」


「えっ!?」


渇いた声で笑った後、先ほどの声とは別人のような低い声で言い捨て剣を抜く警備員に驚くジュード


「死ねぇ!!」

『ジュード!』


ジュードに向けて振り下ろす剣に私はチャクラムを投げ当て弾かせた


「ちぃ!、この…!」


衝撃でよろめくが直ぐに構えて、今度は私の方に攻めてきた


『あっ…!?』


孤を描いて戻ってくる武器を取るが受け止めるには間に合わない



『(しまった…!)』


私は腕を交差させて頭を守り目をキツく閉じた



ガスッ!!



『(………あれ?、痛くない…)

…えっ?』


目を開けて顔を上げるとジュードの背が見えた


『(まさか私を庇って…!?)ジュード!』


「ルナ、怪我してない?」


振り返るジュードの後ろにゆっくりと横に倒れていく警備員が見えた



『ジュード、が…やったの?』


「う、うん…僕の故郷で武術を習ってたから」


『そうだったんだ!、ありがとうジュード!』


「うん、それはいいんだけど…」


おかげで助かったよと笑顔で言う私に対して切迫詰まった顔のジュード



『どうしたの、ジュード?』


「…ううん、なんでもない、それより早くここから出ないとマズイよ」


ガルル…!

『えっ…?』


私達は水の音以外の音に反応して振り向いた


「こんな所に魔物が!?」


『戦いながら進むしかないかも…』


「ぼ、僕も戦うよ。自信ないけど…」


再び武器を手にした私を見てジュードが拳を握って言った



『うん、じゃあ一緒に行こう!』


「くれぐれも無理しないでね、ルナ」


『ジュードだって、油断しないでね!』


互いに先ほどの欠点を言い合って私達は地下水路の出口へと魔物と戦いながら進んだ…
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