心の精霊

□02
3ページ/9ページ


――



『うわぁ…広い…!』


「なんて広い所なんだろう…って、ルナ離れないで」


地下水路から研究所の中にたどり着いた私はあまりの広さに呆気に取られ、辺りを見回しながらフラフラ歩いていたのでジュードに怒られた



「この何処かにハウス教授が…」


『ハウス教授?』


「あ、ハウス教授は僕の先生で…」


―私はジュードが医学生である事、ジュードはハウス教授に大事な事を伝える為にあの橋の上にいた事を聞いた



『じゃあ、ハウス教授を捜そう!、どの部屋にいるか解る?』


「ごめん、僕も此処に来るの初めてだから…」


『(も?…って私か…(笑))

じゃあ、一部屋ずつ捜していこう』


「うん、でも気をつけて

ここ、何か普通じゃないよ」


辺りを警戒しながら言ったジュードに私は頷いた



―確かにさっきの警備員といい、まるで知られてはいけない事をしているようだ



「見てルナ!、子どもがいるよ」


見つからないように慎重に進んでいるとジュードが私の肩を叩いて階段の方を指差した


辿ってみると、銀髪に赤い服を着た研究所の人とは思えない小柄な少女が階段を上がって部屋に入って行くのが見えた


「追いかけよう、ハウス教授があの部屋にいるのかもしれない」


『解った!』


私達は銀髪の少女を追って階段を上がって部屋に入った…



――



部屋の中は薄暗く、何かの装置が作動して点いてる光のおかげで近くが見えるくらいだ


「さっきの人…うわっ!!?」


『ジュード!?、どうし…、え…っ!?

(人が…!?)』


部屋の両側にあるいくつもの装置は水の入った装置の中に人が入っている恐ろしい機械だった


「教…授…?」


ジュードは自分の正面にあるカプセルの中にいる人を見て呟いた


「だまし…たな…助…けて……もうマナは…でない……」


中にいた人、ハウス教授はそう言って生命の根源であるマナが枯渇し消滅してしまった


「あ…ああ…」


一部始終を見てしまった私とジュードは目を見開いて愕然と水だけになった装置を見つめていた
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ