心の精霊

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「それよりアルヴィン、傭兵というからには戦いに自信はあるのだろう?」

「藪から棒に?、そりゃまあそこそこにはな」


ミラのいきなり切り出してきた話にアルヴィンは平然と答えた


「なら、私に剣の手ほどきをしてもらえないか?」

『えっ?』

「腰にそんな立派なのを提げてるのに今さら?」


「今までは四大の力に依っていたから使う機会があまりなかった

しかし、今はそうではない。剣くらい自在に扱えなければこの先の道のりは困難だろう」


『四大…、いなくなったの?』


研究所で見たはずの四大精霊がいない口振りだったので聞いてみるとミラは頷いた


『(四大精霊が消えるほどの威力があるなんて…)』


「ふーん、シダイってのが何なのか解らないがふざけて言ってるわけじゃなさそうだな」


アルヴィンはミラの覚悟を理解して、顎に手を当て考える仕草をした


「一朝一夕に身に付くってもんでもないが…

まあ、俺も次のアテがあるわけでもないし、基本を教えるくらいでいいなら…」

「それで構わない。頼むよ」

『……っ、私も、手合わせする!』


二人の話が成立して、ミラが剣を抜いたところで私は叫んだ


『悩むより強くなって自信を持ちたいから』

「あぁ、いい心構えだ。よろしく頼む」


「おいおい、剣の基本を教わるのが先って忘れんなよ」


向き合って構える私達に呆れ笑いをしてツッコむアルヴィン…



――



『ごめん…ジュード迷惑かけて』


あれから剣の基本が身に付いたミラと手合わせすると頭痛が再発してしまい、戻ってきたジュードに治癒してもらい二人でミラ達を見ていた


「ううん、ちゃんと説明してなかった僕も悪いから…」


マナの消耗し過ぎた私はゆっくり寝ないと完治しないのだとジュードが教えてくれた


「治癒はあくまで応急措置だから無理しないでね」

『うん、ありがとう。ジュードがいてくれてよかったよ』

「え……」


私の言葉にジュードは瞬きして私を見た


『私ね、人と精霊の為に旅をしていたの

傭兵とはまた少し違うけど、皆にとって害を為すモノを取り除く旅をね…』


「…どうしてそんな危険な旅をしているの?

死ぬことだってあるんだよ?」


『…何もしなくて後悔するくらいなら助けに行って後悔する

むちゃくちゃかもしれないけど、これが私の生き方なんだ』


「しない後悔よりする後悔…」


ズキン…


小さく呟き思い悩むジュードの姿に私は胸が傷んだ



―ジュードにとっては私を何度も助けた後悔の方が辛いよね

そのせいでジュードは…
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