いつでも君が側にいる
□いつまでたっても
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「…リョー…マ?」
「…流湖…?」
______………
私達が出会ったのは、6年前の事だった。
「南次郎、すまんが少しの間、こいつを預かってくれんか?」
急な用事で国外に出張する事になった私の父は、こうして私を越前家に預けたのである。
南次郎さんに連れられ、家に入った私は大きな瞳をした、綺麗な顔立ちの男の子に出会った。
「ほれ!リョーマ!挨拶しろ!」
そう言われた男の子は、テクテクと歩み寄って来て、
「越前リョーマ。よろしく。」
そっけない態度でそう言った。
「えっと…五十嵐流湖です。よろしくお願いします。」
私もお辞儀をしながら挨拶をした。
顔を上げるとさっきの男の子が大きな瞳で此方を見つめている。
「な…なにか?」
私がそう尋ねると、彼の口がゆっくりと開いた。
「敬語…疲れるでしょ?タメでいい…。」
私は彼の事が怖いと思っていたが、この時、本当は優しいのかな?そう思った。