Love△Triangle
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「もう…何処行ったのよ家継は」
キョロキョロ見回しながら階段を上る。
今日はかくれ鬼しようと言われ誘いに乗ったけれど、なかなか見つからない。範囲は屋敷全体だから、一周するだけで時間がかかってしまう。
「家継、ちょっとは顔出してよ!」
「何やってんだコラ」
振り返るとコロネロが階段の下に居た。一方私は十段くらい上から見下ろしている。
「家継とかくれ鬼してるの」
「…餓鬼だな」
「餓鬼じゃ「餓鬼じゃねーし筋肉バカ!!」
上を見ると家継が顔を出してこっちを見ていた。コロネロに向けて舌を出している。
「あー!家継みっけ」
「げ。ひな」
私の顔を見て慌てて引っ込めた。
「待ちなさい!!」
やっと見つけたんだから逃がさない…!慌てて後を追いかける。
「あっ…」
急ぎ過ぎて、段で足を引っ掛けてしまった。やばい…落ちる!
「ひな!」
「あれ…無事?」
頭を打った以外他は何処も痛くなかった。
「…どいてくれ」
「あ、ごめん!」
下から声が聞こえ慌てて身体を起こす。どうやらコロネロが助けてくれたらしい。
「ありがとうコロ…えっ?」
一体どういうこと?どうして私の前に『私』が居るの…?
「……何で俺がもう一人居るんだコラ」
目の前の『私』はキッと私を睨んだ。…"コラ"?
「…もしかしてコロネロ?」
「……ひな?」
「でもどうしてコロネロが私みたいになってるのよ」
「何でひなが俺になってるんだ?」
まさか…
私達は互いに今の自分の姿を見つめた。大きく角ばった手、腕は筋肉がこれでもかってぐらいついてる。服は迷彩柄の軍服。髪の毛に触れると短くなっていた。
「コロネロになってる…!」
「ひなになってるぞコラ!」
ってことは…
「「入れ代わっちゃった/たのか?!」」
「…つまり、ひながコロネロに、コロネロがひなになったってこと?」
「は、はい…」
「そうだぞコラ」
私達を交互に見たボスはいきなり笑い出した。
「ククッ…コロネロが敬語話してるし…ひなが男口調でコラ付けるなんて」
「笑い事じゃないですよ!」
「緊急事態だぞ?!」
「だから二人とも可笑しいから話すなって」
お腹を抱えて笑い出したボス。『私』であるコロネロは立ち上がるとボスに蹴りをお見舞いした。ボスは勢いよく吹っ飛ぶ。
「ちょっとコロネロ!何やってるのよ!」
「綱吉がいけねぇんだろコラ。こっちは困ってるっつーのに」
もう一度蹴りそうな『私』(コロネロ)を慌てて引き留める。
「コロネロ!止めなさいってば!」
「何の騒ぎだ?」
扉が開かれ入って来たのはリボーンさん。私と『私』(コロネロ)は顔を見合わせた。
「…コロネロ、これはばれたら…」
「ああ…コイツ何するか分かんねーぞ」
「何をコソコソ話してんだ。コロネロ、ひなから離れやがれ」
「す、すみません!!」
慌てて私は『私』から離れた。リボーンさんは一瞬驚いたようだけど、直ぐに私を睨んだ。
「…つーか、何でお前がいやがる」
「そ、それは…「任務の話の為だぞコラ」
答えに詰まる私に代わって『私』(コロネロ)が答えた。
「……"コラ"?」
馬鹿コロネロ!何やってんのよ?!
「ち、違いますリボーンさん。コロ…いやひなは今わ…俺の真似をしてるんです」
「そ、そうだぞコラ」
「……じゃあ何でコロネロは敬語使ってるんだ」
『私』(コロネロ)が私を睨んできた。お前何やってんだよ?!目がそう語っている。
「た、たまたまで…だコラコラ」
「……ふーん。オイひな。任務に行くぞ」
そうだった…!『私』をちらりと見ると、眉間に皺を寄せていた。…これは文句を言いかねない。私がなんとかしなければ。
「何でお前と「お、俺が行くぞコラ!!」
「邪魔すんじゃねぇコロネロ。これは俺とひなの任務だ」
「だから…「た、頼むリボーン!俺、任務に行きたくてたまらないんだコラコラ!」
両手をパンッと合わせて頭を下げる。
「………ツナ」
「何?」
「ひなの代わりにコイツと行っていいか?」
ボスは私をちらりと見ると、楽しそうに笑って頷いた。
「…何かお前まで笑ってて気持ち悪いな。オイ、コロネロ」
「な、何だコラ」
「足引っ張るなよ?」
「…任せろ!」
笑顔でそう言えば、リボーンさんは固まったけど、さっさと行くぞと背を向けた。
振り返ると、『私』(コロネロ)は気をつけろよと口パクで言っていた。私は大きく頷いてリボーンさんの後を追った。
(…コロネロが可愛いと思った俺は末期だな)
(どうしたんで…だコラ)
(……何もねぇ)
(大丈夫かな…ひな)
(アイツなら大丈夫だろコラ)
(プッ…ククッ……)
(そんなに殺されてぇか綱吉)