ごちゃまぜ
□はじめて
1ページ/1ページ
「綱吉のファーストキスっていつ?」
「ぶっ」
飲んでいたコーラを一気に吹き出すとなまえは汚いなぁと顔をしかめながらもテーブルを拭いた。
「なまえが変なこと聞くからだろ!!」
「これで顔赤らめるなんて、流石草食系男子代表」
ケラケラ笑うなまえはそれで結局どうなの、と尋ねてきた。
「な、ないよ」
「ふーん」
聞いてきたのはそっちだろ!?何だよその反応は。
…ちょっとムカついたから仕返ししてやる。
「なまえは?」
"ない"って答えるはず。なまえは彼氏居たことないし、幼なじみの俺は悪い虫が付かないように陰ながら守ってきた。
「あるよ」
「えっ…?」
「だからあるってば」
予想外の返答に俺はしばらく固まった。なまえが他の男とキスだって…?
「…いつだよそれ」
「(どうして不機嫌なのかな?)んー、五歳のときかな」
「幼稚園の奴とか…?」
「違う違う。年上だし」
「まさか幼稚園の先生?!」
なまえは首を横に振った。
「てか綱吉もそこに居たけど」
「俺が?!」
「覚えてないの?私の誕生日パーティーのこと」
「………あっ」
ようやく思い出す。その日はなまえの五歳の誕生日で、俺達は家族ぐるみで仲が良かったから一緒にお祝いしたんだ。プレゼントを渡す時に、酔っ払っていた父さんがなまえにプレゼントのおまけだとか言ってキスしたんだ。俺はそれを見て苛々して、父さんに体当たりしたっけ。ツナ、ヤキモチかって笑われながら軽くあしらわれたけど…
「思い出した?」
「……うん」
「まぁおじさんのことだから忘れてると思うけど」
私もあんまり気にしてなかったしね、なまえは笑うけど、俺には全く笑えない。
「ねぇ、なまえ」
「ん?」
「それ、カウントに入ってるの?」
「んー、私は入れるつもりはないけど…。まだ小さかったからよく分かんなかったし、おじさんは意識なかったし」
俺はそれを聞いてホッと一息ついた。
「じゃあさ…」
なまえに近付いてそっと耳元で囁く。
「っ…!」
見て分かるくらいに真っ赤になるなまえ。
「どうかな?」
「…ご自由にどうぞ」
「じゃあ遠慮なく…」
なまえの唇まであと3p…
愛してると俺が言えば、私も、と瞳が閉じられた。
『俺になまえのはじめてくれませんか?』
(…なんか綱吉の言い方ってさ、)
(え、何?別に俺は何時でもいいけど?)
(ちょ、ちょっと!何で上に乗ってくるのよ?!)
("ご自由に"って言ったのはそっちだろ)
(!?)
−−−−−−−−−−
あれ…白綱のつもりだったのにいつの間にか黒くなってる?