ごちゃまぜ
□妹さんを俺に下さい!
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…俺の彼女の兄貴はシスコンだ。
「ごめんなさい…」
「謝る必要はねぇぞコラ」
約束の時間から30分後…。遅れてやって来た彼女は目に涙を浮かべながら頭を下げた。…原因はアイツだろう。
「…お兄ちゃんがね」
ほらやっぱり。
「ったく、ソイツに一度ガツンと言ってやらねぇとなコラ」
「だ、駄目だよ!お兄ちゃんすごく強いもん!!」
「…俺の方が弱いってことかコラ」
「そうじゃないけど…二人とも怪我しちゃう…」
コロネロに怪我してほしくない、俯いてそう呟く彼女が可愛いすぎて俺は強く抱きしめた。
「ほら、早く行くぞ」
「うん!」
俺はこの手を一生離すつもりはない。しかし俺には最大の壁が待ち受けている。…それが俺の彼女、なまえの兄貴だ。
なまえの両親は、なまえが小さい頃に交通事故で亡くなったらしい。それからは、なまえの兄貴が親代わりとして育ててきたそうだ。そりゃあ、兄として、親としてなまえに接してきたらなまえを溺愛するのは分からなくもない。だが、コイツの兄貴の愛情は異常だ。
まだ一回も会ったことがないが、どんな奴なんだろうか。俺がガツンと言ってやれば、案外すぐ退くんじゃねぇか?
兄貴に対面する日はそう遠くなく訪れた。
「いい?コロネロ。怒らせちゃ駄目だからね…?」
「分かってるぜコラ」
付き合い始めて八年…そろそろ結婚しても良いんじゃねぇかと思い、俺は一大決心をしてなまえにプロポーズをした。なまえは泣きながら何度も頷いてくれ、よろしくお願いしますと丁寧に頭を下げた。
その日から三日後…俺はとうとうなまえの家へとやってきた。これから初めてなまえの兄貴に対面する。
「…なんか緊張するなコラ」
「コロネロが緊張なんて明日は雨かなぁ?」
気を利かせて冗談を言ったなまえのお陰で俺の緊張も大分和らいだ。
「隣には私も居るんだよ?」
「…そうだな」
ニコニコ笑うなまえの薬指には俺とお揃いのシルバーリングが光る。それを見て、改めてなまえを俺のものに出来たと実感する。
「…上手く行くようにおまじないしてあげる」
「おまじない?何だよそれ、」
言葉が途中で途切れた。なまえからしてくれるなんていつぶりだろうか?嬉しさを感じながらもやはり主導権は男の俺が握りたいわけで。俺がなまえの口内を犯すと、腰が砕けたらしい。なまえを支えたまま、俺達はキスしあった。
(始めまして義兄さん。コロネロと言います…って、リ、リボーン!何で此処に居るんだよ?!)
(それはこっちの台詞だ)
(あれ、二人とも…知り合いなの?)
(…まさかなまえの兄貴がリボーンとはな。…なぁ義兄さん)
(お前に義兄さんと呼ばれる筋合いはねぇし、なまえはやらねぇぞ)
(お兄ちゃん…!)
(なまえ、こんな馬鹿じゃなくて俺と結婚しろ)
(お前ら兄妹だろ?!)
(関係ねぇ)