ごちゃまぜ

□風邪引き注意報
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(※微裏)


「おはようございます!」

私が挨拶すると、守護者の皆もそれぞれ返してくれた。


「おはようなまえ」

「おはようございます、ボス」

ボスの二つ隣の椅子を引いて座る。あれ、私の隣…


「リボーンさんまだ来てないんですか?」

何時も私より早く座っているのに…珍しいなぁ。


「ああ…アイツ、風邪で寝込んでるんだよ」

「そうなんですか?!」

私は目を大きく見開いた。あの、病菌も逃げてしまいそうなくらい最強なリボーンさんが…風邪?居ても立っても居られずに私は勢いよく立ち上がる。



「え、まだ朝食食べてないけど…?」

「朝食よりリボーンさんの方が心配ですから」

「…リボーン、愛されてるね」

「ひ、冷やかさないで下さいよ…!」

私は急いで部屋から立ち去り医務室へと向かった。










"コンコン"

「リボーンさん。私です」

「…なまえか。入れ」

何時もよりくぐもった、掠れた声が聞こえ、大分酷い風邪だと認識する。看病セットを一旦床に置き、扉を開く。リボーンさんはベッドに寝た状態からゆっくり身体を起こそうとしていた。私は慌てて身体を寝かせようとする。


「病人なんですから寝てて下さいよ!」

「…お前が来てんのにぶざまな姿を見せられるかよ」

「もう…!こんな時くらい見栄張らないで下さい」


強引に押し戻すと渋々言うことを聞いてくれた。私は放置していた看病セットを持ってきて、桶からタオルを取り出し強く絞って額にそっと乗せた。



「リボーンさんが風邪引くなんて珍しいですね」

「…そうだな。数年振りだ」

「私なんか季節の変わり目ごとに引いちゃいますもん」

二週間くらい前に風邪を引いて寝込んでしまい、リボーンさんに看病してもらったのは記憶に新しい。



「でも嬉しいですね」

「…何が?」

私はぬるくなったタオルを取り、桶に浸して絞って乗せた。



「こうしてリボーンさんの為に何かやれることが」

「!!」

「…不謹慎ですみません。でも何時も私は貰ってばかりですから…」

リボーンさんに何かしたい…何時もそう思っているけれど、完璧な彼には私の助けなんか不要。むしろ大きなお世話だろう。



「俺もお前に貰ってばかりだけどな」

「私、何も…」

リボーンさんは首を横に振り、布団から手を出すと私の手に重ねた。



「何時も元気もらってるぞ」

「リボーンさん…」

リボーンさんは優しく笑った。私が一番好きな顔。




「まぁ、お前にはそれしか取り柄ないしな」

「…酷いです」

上げて落とされた気分だ。私がいじけて絨毯に"の"の字を書いていると冗談だと頭を撫でられた。それだけで気分が晴れるのだから私は単純な女だ。



「お腹減ってないですか?」

そう尋ねれば首を横に振った。



「じゃあ何時でも言って下さいね。お粥くらい作れますから」

「…ちゃんと食えるんだろうな」

「失礼ですね。それぐらい出来ます」

これでも一応花嫁修業の一環として毎夜毎夜、特訓している。誰にもばれずにやってるけれど。



「知ってる。お前、真夜中に練習してるよな」

「どうしてそれを…?!」

「気配でバレバレだぞ」


何ていうことだ。リボーンさんには1番知られたくなかったのに…



「これで結婚しても安心だな」

「結婚?誰がですか…?」

するとリボーンさんは大袈裟に溜息をついた。


「決まってんだろ。俺とお前だ」

「!?」

私が顔を真っ赤にするとリボーンさんは笑った。私は恥ずかしさを紛らわす為に水と薬を取り出した。



「薬飲みましょうか」

「お前が飲ませてくれるならな」

「…自分で飲みましょうよ」

錠剤を包みから取り出し、リボーンさんに手渡すと手に戻された。



「リボーンさん…」

ぷいっと顔を背けられた。もう…この人たまに子供なんだから。…仕方ない。私が折れるしかないみたいだ。
水を少し含み、錠剤を口にした。リボーンさんに顔を近づけようとする前に、私はリボーンさんに口づけされた。





「んっ…はっ……」

私とリボーンさんの間を僅かな水が伝っていく。私がリボーンさんの口に錠剤を押し込むと、ごくんと飲み込んでくれた。引っ込もうとすれば、リボーンさんの舌に絡み取られ、私はされるがままになっていた。…この人本当に病人なの?!胸を押してもびくともしない。ようやく離してくれた時にはすでに私は息切れしていた。一方のリボーンさんは呼吸一つ乱れてない。



「…リボーンさん、本当に風邪引いてるんですか」

「試してみるか?」

「試すってどうやって…」

私が首を傾げていると強い力に腕を引かれ、そのままベッドに連れ込まれた。




「あ、あのう…」

「ん?」

「…どうしてリボーンさんが私の上に?」


リボーンさんはさも当たり前のように笑って言った。


「お前が疑うからだろ。俺が風邪引いてないって」

「それとこれとは…」

「今身体中熱いからな。ヤれば分かると思うぞ」

「リ、リボーンさん!いい加減に、「駄目か?」


何時もは鋭いのに、今日は熱があるからか、潤んでいる瞳が私を見つめた。…この人策士だ絶対に。私が断れないの知ってやってる。なんだかんだリボーンさんに甘い私は諦めがつき、小さく溜息をついた。




「…もう勝手にして下さい」

「勝手にする」



私の顔の横に手をつき、リボーンさんの顔がゆっくり近付いてきた。


「愛してる…なまえ」



「私も愛してます」


私はそっと目を閉じて、愛しい人の首に腕を回した。









(ゴホッ、ゴホッ…)
(大丈夫か?なまえ)
(…移しましたねリボーンさん)
(何のことだよ)
(…あれ、ゴホッ…何で上に?)
(俺に移せば治るかもしれねぇだろ)
(?!)

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