ごちゃまぜ

□想いよ届け
1ページ/1ページ



「…すす、す…すき、焼き!」

「お前は馬鹿か」

リボーンに頭を叩かれる。レディに暴力奮うなんて…!そう言えば、何処にレディなんて居るんだよと言い返された。女に優しくするのがヒットマンじゃないの?私だけ差別なんて酷すぎる。


「本人じゃねぇんだから言えるだろ?それぐらい」

「む、無理!」

ぶんぶん手を振ると、お前も一応乙女だなって笑われた。一応って何よ、一応って。
あの日…コロネロに告白しなかったことがリボーンに知られると物凄くけなされた。俺がせっかく機会作ってやったのに何やってんだ馬鹿野郎、と。ごもっともですと私は説教を二時間くらい聞く羽目になった(足痛めたから正座しなくて済んだのがせめてもの救い)。それから、俺が特訓に付き合ってやると言われ、告白の練習の相手になってもらってる。でも相手がリボーンであっても恥ずかしいものは恥ずかしい。


「俺が手本見せてやろうか?」

「本当!?」

「ああ…」

リボーンは私に一歩ずつ近付いた。手を少し伸ばすだけで触れられる…そんな距離。長い指が伸びてきて、私の頬に添えられた。


「…なまえ」














「綱吉、コレ」

「わざわざ届けてくれてありがとう」

書類を手渡すと、内容に目を通すことなく俺を見て笑った。


「…何かついてるかコラ」

「速達でも良かったのにこうして足を運んでくれたのって、なまえに会いに来たからでしょ?」

「っ…!」

「図星みたいだね」

クスクス笑うコイツは、あのヒットマンと性格が似ている。昔はこんなに黒くなかったはずだが…アイツが家庭教師をしたからだろうか。


「早く想い伝えた方が良いと思うけどなぁ」

「…俺の勝手だろ」

「そうだけど、何時までも待ってくれるとは限らないよ?」

綱吉はさっきから何を見てんだ?窓際に近寄り下を見下ろすと、そこには向かい合うリボーンとなまえの姿。あいつら…何してんだよ。


「奪われちゃうかもよ。例えば…リボーンとかね」

「ッ、クソッ!!」

この間にアイツがリボーンのモノになってしまったら…そう思うと俺の足は反射的に走り出した。







「さしずめリボーンと俺は恋のキューピッドってとこかな?」














「…なまえ」

まるでリボーンの瞳に吸い込まれていくよう…。彼から目を反らせない。私の耳元に唇を近づけると、甘いテノールが囁かれた。


「愛してる…」

リップ音とともに離され、私は放心状態になってしまう。これが本気じゃないことぐらい分かっているのに…。何故リボーンが百戦錬磨と呼ばれているか分かった気がする。



「…流石ね」

「まぁな」

目の前の彼は涼しい顔をしている。私が顔を真っ赤にしているのを見るとケラケラ笑った。


「お前、今惚れただろ」

「…なっ!ち、違います!!」

「冗談だ」

お前がコロネロ以外眼中にないことぐらい分かるぞ、恥ずかしくて顔を俯く。


「よし、次はお前の番だ」

「わ、私?!」

「当たり前だろ。なんの為の手本だよ」

早く早くと急かされて、私は覚悟を決めてリボーンを見上げた。


「…私は、あんたが…す、す…」

「す?」

「…す、す…好き!好きなの!!」

「マジかよ…」

…えっ?第三者の声がして振り返ればそこに立っていたのはコロネロだった。何処か悲しそうな顔をしているのは気のせいだろうか。



「コロネロ!これは「…まさかお前がリボーンを好きだったとはな」

「違うの!待っ「まぁ、幸せになれよコラ。…じゃあな」

私達に背を向け、足早に去って行くコロネロ。違う…私が好きなのはリボーンじゃない。…私が好きなのはコロネロなのに。


「待って!!」

駆け出した背中が後ろから強く押された。誰かなんて振り返らなくても分かる。行ってこい…そんな想いが伝わってきた。






「コロネロ!!」

後ろから勢いよく抱き着く。恥ずかしいとかそんな感情は消えていた。


「…リボーンの所へ行けよコラ」

「嫌!私はコロネロの元に居たいの…」

「なまえ…?」

ゆっくり身体を回転させたコロネロはようやく私の方を向いてくれた。


「私が好きなのはコロネロなの…」

「でもさっきリボーンに…」

「あれは練習に付き合ってもらってて…」

頬をかきながら苦笑いすると、一瞬キョトンとしたけれど深い溜息をつきながらしゃがみ込んだ。


「ど、どうしたの…?」

「…自分がすげぇダサいんだコラ」

「ダサい…?」

「お前がリボーンを好きなんだと思って先走ったからな…」

…ひょっとして、



「妬いてくれたの?」

「…悪いかコラ」

滅多に見られないコロネロの姿を目にして、ついクスリと笑ってしまう。直ぐに釣り目が私を睨んだ。


「今笑っただろ」

「そ、そんなことない!そんなことな、」

続けようとした言葉はコロネロに遮られた。彼は直ぐに私から離れると、私の顔を見て笑った。



「真っ赤な林檎だなコラ」

「う、煩い!キス魔!!」

「褒めてくれてるみたいだな」

悪戯っぽく笑ったコロネロに私の心臓は高鳴る。


「そんなにしてほしいならくれてやるよコラ」

待って、その一言を紡ぐ前に今度はさっきより熱いキスが送られた。








(え、もう日が暮れてるじゃない…!)
(俺に夢中だったみたいだなコラ)
(そ、それは…コロネロが激しいから…)
(これからもっと激しいやつするのに大丈夫かよ?)
(!……最低)




(あいつらくっついたのは良いが…)
(ただのバカップルじゃねぇか)
−−−−−−−−−−
『素直になれない』の続きです^^

続きが気になる!とのコメントを頂いたので書いてみました。
リボ様もなまえさんが気になっていたけど、彼女の幸せを願って退いたって裏設定←

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ