緋色の歯車

□episode,3
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耳が痛いほどの金属音…

「何これ?警報〜?」
ミアが顔をしかめながら言う。

「ちげーよ!英雄の凱旋だ…!」
エレンが目を輝かせる。

「英雄…?」
イヴが首をかしげる。

「調査兵団が帰ってきたんだよ.正面の門が開くよ!」
アルミンが説明してくれた。

「調査兵団って壁の向こうに行くっていう人たちか…!」
チータが一目見ようと人垣の中ピョンピョンと跳ねる。

「クソー!人垣で見えねー!」
エレンも同じく跳ねていた。


「こっち!見えるよ!」
ミアがコンテナの上から叫んだ。

6人全員がコンテナの上に乗る。

「え…」
チータは言葉を失った。

「酷い…」
予想以上だとイヴも口元を袖口で覆う。

腕を失ったもの、目を失ったもの、赤く染まった包帯が巨人の獰猛さを語っていた。

『これだけしか帰ってこれなかったのか…』

『今回もひどいな…』

『100人以上で調査に向かったハズなのに…』

『20人も…いないぞ…みんな…食われちまったのか…』

6人は町民が話す内容に絶句した。

息子がいないと泣きつく女性に渡されたのは袋1つだった。


何より衝撃的だったのは女性の息子は人類の反撃の糧になったのかという発言に対する調査兵団の答えだった。


『何の成果も!
      得られませんでした!


私が無能なばかりに…!!
ただいたずらに兵士を死なせ…!!
ヤツらの正体を突き止めることができませんでした!!!』


「あぁこの世界はこんなにも残酷なのか…」


チータがポツリと呟いた。
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