びーえる


□切ない告白(後編)
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薄暗い光しか入らない、不気味な静けさ。

ここは、隣町の不良達がたまり場として集まる学校…の、化学実験室。

低い金属音と、鎖の擦れる音が…響いていた。



「…気分はどう?」
「ぐ…ぅ…」



俺、瑠吹阿紀(ルスイアキ)は、鼻で笑った。繋がれている、俺と全く同じ顔をした双子の片割れ、瑠吹多紀(ルスイタキ)。解っていながら敢えて聞くのは、俺の趣向だ。

「顔色悪いね、多紀。何なら俺が治してやろうか?少しチクッと痛いだけだよ」

俺は注射針の先を見せ付け、中の濁った液体を少し振るう。

「…ゃ…めて…阿紀…ぅぅ」
「大丈夫さ。ぶっ飛んでキモチ良くなれる、サイコーなクスリだから」

問題は、身体が持つかどうかだな。ま、関係ないや、俺には。所詮ただのイカれたクスリだし。安い買物さ。

「…阿紀…っ」
「じっとしてないと、手元狂ってもいいの?変なトコ刺すよ」

動けないのに、無駄な力で避けようとするんだから。あれだけ痛め付けてもまだ足りないのか。

「…く…苦し…ぃ…」
「大人しくしないからだよ、多紀」

俺は首を握る手の力を少し緩め、片方の手にある注射の針の先を、多紀の肩口に刺した。

「…ぐ…ぁあ…!」

即効薬だからね。
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