びーえる


□僕達の出会い
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そう言って僕に近付いて来たのは、同級生の川野裕樹(カワノヒロキ)。

…どうやら聞こえなかったらしい、僕の呟き。良かったのか…それとも、気付いて欲しかったのか、複雑だけども。ここだけの話、彼は僕の一方的な恋の想い人だ。

体育系スポーツマンで、体格良いし…無駄な筋肉の無い、その逞しい身体で熱く抱かれたら…それだけでイキそう。

「…ホシイな…」
「んっ?何か言ったか、トク」
「あぁっ、イヤ…その、テ、テストさ。百点欲しいなーって」

慌てて紛らわす僕。そんなんじゃ、ないのにさ…少し落ち込んだよ、僕の事は所詮友達でしかないのかってね…

でも、さ。

「何だよトク、やけに張り切ってんだな。じゃあ、俺と予習でもするか?トクん家でさ」



…僕の…家で…?



思わず興奮して、馬鹿丸出しする所だった。

「どうせ、暇してんだろ?あ、俺の親友も連れて行って良いか?そいつ、ちょっとは頭良い奴だから、多分捗ると思うぜ。お互い頑張ろうな」

イヤ、そんなオマケな奴要らないから…とは言えず、僕は承諾してしまった…はあぁーっ…



その時の僕は、落胆したのだけど。

…運命って、どんな糸を繋いでいるのかなんて…僕は、改めて知る。
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