デンヒョウ
□そんな休日
1ページ/1ページ
「ちょ、返してください。」
「嫌だ。」
ヒョウタは片手で両目を押さえもう一方の手で必死になってこっちに伸ばしてくるが全て空振りばかり。
しかし返せと言われてはいどうぞなんて返すほど俺は簡単じゃない。
「返してくださいって言うまで返さな…」
「さっき言ったよね!?…いい加減、返せ!!」
「ぐぉ!?」
するとヒョウタの頭突きがうまい具合に腹にヒット。
眼鏡がない分、結構な強さだ。
「ゴホゴホっ…痛……!!」
「お腹柔らかいですね。鍛えたらどうですか?」
「…余計なお世話だっ、ゴホッ!!」
「…大丈夫?」
これを見て大丈夫なんてよく言えたな。
あ、見えてねーか。
「大丈夫じゃない。腸とか潰れたんじゃね?看病して欲しいな。」
「……元気そうですね。」
「うわ、めっちゃ痛い。」
「デンジさん、眼鏡はどこですか?」
今気づいた。…眼鏡がない。
「さっき頭突きされたときにどっかにとんでいったかも。」
「え?ふざけないで下さい!!」
「そう怒るなって。見えないなら側にいてやるから。」
「無くなった前提で話すな!!」
「ぐぉ!!」
本日二度目の頭突きを食らったのは言うまでもない。
そんな休日
ヒョウタの顔が真っ赤だったのは内緒の話。
20120912