03/22の日記

01:59
デン+ヒョウ
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ケンカした後の話

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困った話だ。いつもなら造作もなく行えるような修理で指を切った。機械の中の修理をするために横で遊ばせていた電線の先を把握していなかったのだ。これで五度目だった。大した傷ではないが腕から先の所々に皮膚を抉った傷があり見ているだけで痛々しい。
少し休もう。手に持ったレンチを床に投げ、機械に線をぶら下げたままその場を後にした。
ジムの奥から出てきたデンジを久しく見ていなかったジムトレーナーたちは珍しいポケモンでも見るようにまじまじと目で追っていたが彼はそんなことを気にも止めずそのまま街の中に出た。
ポケットに入っていたポケギアも取りだし画面を見たが案の定着信は入っていない。再びポケットに仕舞おうとしたがまた取り出した。連絡を取らなくなってかれこれ一週間が過ぎていた。その理由はとても些細な事だったが確実にデンジが悪かった。かといって謝る気はこれっぽっちもない。
足を止め、ポケギアの画面を発信画面に変える。
ヒョウタ
少し悩み発信ボタンを、押した。
まだ怒っているだろうか。コールは二回鳴り途切れそのあとにいつもと変わらない声、しかし少し反響している。きっと炭坑の中なのだろう。いつも通りの穏やかな声だった。
修理は明日にしようか。
「もしもし、今から遊びに行ってもいいか?」

そんな午後

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