短編

□笑顔の先に、
1ページ/1ページ


彼女はソファーを背に、パラパラと雑誌のページをめくる。
俺はそんな彼女の後ろ姿をぼうっと見ていた。
少し長めの髪は、首筋をくすぐるようにカールが掛かっていて、
たまに覗く肌はとても白く綺麗だ。

「きゃっ」

彼女は吃驚して振り向いた。
あぁごめん、苦笑しながら俺は手を引っ込める。

「もう、なに?」

雑誌を閉じて横に置き、
彼女は振り向きながらソファーに肘を置いた。

「……いや」

綺麗だな、なんて言えるわけもなく。

「変なの」

ふわりとした笑顔はやわらかく、頬はほんのりと赤い。
頭にぽんっと手をおいて、愛おしくまぶたから頬、唇と触れる。
彼女は気持ちよさそうにくすぐったそうにくしゃりと目を瞑った。

「…好きだよ」
「ん」

触れるくらいのキスをして、私もと彼女は笑った。

色んな笑顔を見せてくれる彼女が本当に愛しくて、
俺はもう一度キスをした。


笑顔のに、
(お前の笑顔は俺だけの、柄にもなく笑ってみせた)




珍しくNLでらぶらぶしたのが書きたくなったのです

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ