短編
□笑顔の先に、
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彼女はソファーを背に、パラパラと雑誌のページをめくる。
俺はそんな彼女の後ろ姿をぼうっと見ていた。
少し長めの髪は、首筋をくすぐるようにカールが掛かっていて、
たまに覗く肌はとても白く綺麗だ。
「きゃっ」
彼女は吃驚して振り向いた。
あぁごめん、苦笑しながら俺は手を引っ込める。
「もう、なに?」
雑誌を閉じて横に置き、
彼女は振り向きながらソファーに肘を置いた。
「……いや」
綺麗だな、なんて言えるわけもなく。
「変なの」
ふわりとした笑顔はやわらかく、頬はほんのりと赤い。
頭にぽんっと手をおいて、愛おしくまぶたから頬、唇と触れる。
彼女は気持ちよさそうにくすぐったそうにくしゃりと目を瞑った。
「…好きだよ」
「ん」
触れるくらいのキスをして、私もと彼女は笑った。
色んな笑顔を見せてくれる彼女が本当に愛しくて、
俺はもう一度キスをした。
笑顔の先に、
(お前の笑顔は俺だけの、柄にもなく笑ってみせた)
珍しくNLでらぶらぶしたのが書きたくなったのです