azalea
□久しぶりの再会
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直人は火災現場を静かに見ていた。
「戦時中のこと思い出すな…だいたい行くところは焼け野原だったからね」
「直人、あんまり言うな」
「分かってる。それに…………」
皆本の言葉に直人は言いながら途中で言葉をきって黙った。
「直人??」
「少しな…あんまり気にするな」
直人は言いながら少し悲しそうな顔をした。
バベルに戻るなり薫たちの文句が始まり直人は一人溜息をついた。
「(本当に薫たちには今を幸せに生きて欲しいよな。僕たちみたいにならないように…)」
直人は一人思いながらいた。
直人は特別やることなく皆本の射撃をしている姿を見ていた。
「皆本、的から外れてる数が多い…考え事は終わって気からにしろ、下手すると自分が怪我するからな」
直人の言葉に同意を示す声を上げた。
直人はそれを見るなり眉間に皺を寄せた。
「(…京ちゃん)」
直人は心の中で呟いた。
直人は自分の正体をばれるのが嫌なので少しだけ距離を取った。
彼はきっと自分のことは気にしてないのだろう。
たかが瞬間移動能力者だ。
だから気にしてない。
「(でも…京ちゃん、僕が……私が智佐子なんだから京ちゃんには勝てるよ)」
直人は一人思いながらも黙っていた。
兵部が消えると直人は皆本に抱きついた。
「ごめん」
直人は小さく呟いた。
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