慈しみ深き

□第一章
2ページ/9ページ

●●
●●
●●


4月上旬――


新しい学年が始まろうとしていた。



舞の学校では、毎年クラス替えがあり、これで一年の明暗が別れてしまう。



新しいクラスがかかれた大きな紙の前で、舞は嫌な顔をしながら自分の名前を探していた。



(あ、4組か…。)


自分の名前を見つけるとすぐにある二人の名前を探す。



(優と唯奈は…。あっ!!!)



舞の顔にやっと笑顔が見えた。



(今年も一緒だ…!!)



優と唯奈は、舞が心から信頼している友達だ。



友達は多い舞だが、この二人以外とはあまり行動しない。




なぜなら…









舞は少し人間不信のところがあり、自分が決めたラインを越えた人にだけしか親しくしないからだ。



だから優と唯奈以外とはあまり親しくしたくなかった。



(これで今年も大丈夫。幸せな一年にしてみせる!!!)



舞は心のなかで固く決意を呟いた。 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ