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□変わらない愛情
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オギャア…オギャア…


深夜に響く赤ちゃんの泣き声。


「ああ、はいはい」


私は半分寝かけていた意識を取り戻し急いでベビーベッドに向かい、産まれてまだ1ヶ月の小さな我が子を抱き上げた。


「お腹すいたのね〜今おっぱいあげるからね」


パジャマのボタンを開き、母乳で張った乳房を出して私は我が子の口元を乳房へ近付けた。


ちゅうちゅうと吸い付く様子に母である悦びを噛み締めていると、寝室の扉が静かに開き廊下から伸びる光と一緒にエイジが入って来た。


「起きたです?」


「あ、ごめん。起こしちゃった?」


赤ちゃんが産まれてから私とエイジは別々の部屋で眠っている。毎夜の赤ちゃんの泣き声に徹夜明けのエイジの眠りを妨げないようにする為に私がそうしようと持ち掛けたのだ。


「おっぱいですか…」


「きっちり3時間おきだよ。赤ちゃんの体内時計ってすごいね///」


クスクス微笑んでいると、いつの間にかお腹いっぱいになった我が子は、すうすうと小さな寝息をたてて眠りに就いていた。


「寝ちゃった…可愛いわね///」


「そりゃ僕と愛子の子ですから///」


赤ちゃんをベビーベッドに寝かせながら私は、エイジに、親バカね///、とクスクス微笑んで応じた。


赤ちゃんを寝かせ布団を掛けた後、屈めていた腰をグッと伸ばすと、一瞬くらっと立ち眩みがしてよろけてしまった。


「愛子…っ!?」


なんとかベビーベッドの柵に掴まり倒れずに済んだもののエイジの心配そうな顔が私の視界に入った。


「大丈夫ですっ!?…寝てないんじゃないですか?」


「ん、ごめん、大丈夫…」


エイジがそっと私の肩に手を置いてベッドに腰を掛けるように優しく誘導してくれた。


二人で腰を降ろすと、エイジは静かな口調で私を気遣うように話し掛けてきた。


「愛子、疲れてるじゃないです?…やっぱり実家のお母さんに来て貰いますか?」


「ううん大丈夫。実家の母が出入りしちゃうとエイジだって気ぃ遣うでしょ?仕事に支障をきたすわけにいかないし…それに私が実家に行っちゃうとエイジの世話が出来ないしね…ごめんね…心配かけちゃって…私は母親になったんだもの。しっかりしなきゃね///」


笑顔を繕いエイジに顔を向けると、エイジのいつに無く真剣な顔付きに私は、胸がドクンと鳴った。




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