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□ホームメード・ディッシュ
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「えっ!?Σいや、これはそのぅっυ…美味しいかどうか自信無いしっ」


私のその発言に目をキラキラ輝かせながらエイジが食らいつく。


「おおっ!愛子の手作りですっ!?食べたいですっ!」


「いやυ佐藤さんのサンドイッチの方がきっと美味しいと思うし…いいの、これは私が食べるからっ…」


私は、佐藤さんを気に掛けながら後退りしていると、エイジはそんな私をキョトンと見た後、手に持っていたカツサンドの入ったランチボックスを、佐藤さんに突き出していた。


「…悪いですけど、これ返すです」


へ?、え?、佐藤さんがランチボックスを受け取りながら戸惑っている。


「僕には彼女の作ってくれたお弁当があるですからっ」


エイジは私の方を指差してニコニコと微笑んでいる。


「え…か、彼女…///?」


何やら佐藤さんの様子がおかしい。


「およ?佐藤さんにはまだ言ってなかったです?僕達、一週間前から付き合ってるですよ!」


ええっ!?///Σ、と大声をあげて驚く彼女に私は、ようやく理解した。


佐藤さん、知らなかったんだ…私とエイジの事…。


「えっ、そ、そうとは知らず、すっすみませんっ///あの、また夕方出直してきますっ、しっ失礼しますっ///」


佐藤さんは慌てて私達に深々と頭を下げてバタバタと逃げるように仕事部屋から出て行った。


残された私達は暫く呆気にとられていると、どうしたんでしょう?佐藤さん…、とエイジが呟いている。


「…エイジ鈍い…」


「ガビンッΣどうしてですっ!?…と言うかそれ昨日、佐藤さんにも言われたです…」


「……υ」


この男は…υ罪作りな癖に自覚が無いなんて、女の敵。






───その後、私のお弁当を幸せそうに頬張っているエイジに、佐藤さんはきっとエイジの事が好きなんだよ、と話してあげると、エイジは、そうだったですか!?…でも僕は愛子以外キョーミ無いですっ、なんて言いながら私の作った厚焼き卵をもぐもぐと口にしていた。


「もしかして昨日、愛子の様子がおかしかったのって、ヤキモチやいてたです?」


にんまりと微笑みながらエイジが私を見ている。



「愛子、可愛いです…///このタコさんウィンナーより可愛いです」



「う、うるさい///それ以上言ったらもうお弁当作んないからっ」


「ガチャピーンΣそれは嫌ですっ愛子の手料理、ベリーデリシャスですっ!毎日食べたいですーっ!」


必死に懇願するエイジに私は、ふふっ///と微笑んだ。


…佐藤さんには申し訳無い気持ちがあったけれど、あの時、エイジが私のお弁当を選んでくれて嬉しかった。


私を彼女だと、はっきりと佐藤さんの前で断言してくれたのが嬉しかった…。


そうなのだ。私はエイジの彼女なんだから、もっと彼を信じなきゃ。ごめんね。


でもこれで、おあいこ。だから、私との関係を佐藤さんに話していなかった事は、おおめに見てあげる事にしよう…///


その日から、私はエイジにお弁当を作るのが日課になっていった。


(しかし愛子って、ほんと料理苦手なんですね…おむすびなんか相変わらず歪です…まあ美味しいからいいですけど)


(う、うるさい///)



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