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□美味しい葡萄はいかが?
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──今日も新妻先生の仕事場は賑やか。──



「うちの実家からピオーネが送られてきました〜あとで休憩の時に出しますね」


「ピオーネ?おぉっ葡萄ですかっ!僕、葡萄大好きです!」


目をキラキラ輝かせて子供のように両手を差し出すエイジ。


「まだダメです。他のアシスタントさんたちが来てからです。」


「今食べたいです。一粒でもいいからくださいです。」


彼の、一度言い出したら聞かない性格をよく知っている私は、仕方ないなぁと溜め息をつきながら綺麗に薄紙で包装されたピオーネを取り出し一粒だけもぎ取り口を開けて待つエイジのその中に皮ごと放りこんだ。


「ん〜///甘くておいひいですっ」


くちゃくちゃと音をたて甘い汁がエイジの口の中いっぱいに満ちていく。


なんか、やらし…///


皮を取り出しながら少し濡れた唇でエイジが呟く。


「愛子、今やらしいこと考えてましたね?」


「へっ//!?」


図星と言わんばかりに動揺する私に気を良くしたのかエイジの濡れた唇がそのまま私の唇に重なる。


くちゅ…ぴちゃ…


甘い葡萄の味とエイジの冷たい舌が私の舌をとらえていく。


「…ん、ふぇ///」


やっと離れた唇からはどちらのものとも言えない唾液が垂れてくる。


「愛子のが葡萄みたいです。」


「…ふぇ?」


私が葡萄?どゆこと?


「葡萄ってまるで女性の体みたいじゃないです?プチプチとはちきれんばかりのまんまるいあの形。たわわに実った豊満な女性たちがぎゅうぎゅうに密着してるみたいでエキサイティーングですっ!」


「へ、変態っΣ///」


「愛子の、こことか、ここも葡萄みたいで美味しそうです。こっちも食べたいです」


なんて言いながら触ってくるものだから私は思い切り、エイジのいやらしい手をつまんでやりました。


美味しい葡萄はいかが?


「痛いです…」


「エイジが悪いの。もうっしばらく葡萄食べれないじゃない///」



天才漫画家の考えることは奇なり。



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