異世界少女と不器用男子

□一難去ってまた一難
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遊園地に行った翌日
どこから広まったのか麗奈が学校に着いた瞬間囲まれてしまった
内容はブレスレットの件
まだ学校の恐怖心が完全に晴れていない麗奈は少し青ざめてしまった

「っ…」

早くこの場所から逃げたいそう思っても足が動かない
ここは大丈夫なんだと頭では分かってても体が追いつかない
ついには足の力が抜けかけて倒れそうになってしまった

「あ…っ」
「大丈夫か」
「え…」

誰かが倒れそうになった麗奈を受け止めた
麗奈が顔を上げると支えてくれたのは豪炎寺だった

「豪炎寺…」
「歩けるか?」
「…ごめん無理かも」
「そうか…すまないが少し我慢してくれ」
「え、何が…キャッ!」

突然の浮遊感に驚き数秒後横抱きにされてるのが分かった

「なっなななななにして…!!///」
「足が動かないならこうするしかないだろ。少し揺れるが許してくれ」
「いや、そこら辺は平気だけど…じゃなくて恥ずかしいっての!!///」

麗奈の言うことには聞く耳を持たず
スタスタと保健室へと向かった
途中周りの人からの視線が突き刺さった
恥ずかしくなって麗奈は豪炎寺の肩口に顔を埋めた

(これ絶対死亡フラグゥゥゥゥ!!)

なんて思った
一方豪炎寺は涼しい顔をしていたので取りあえず腹殴っといた

「殴るな」
「こんぐらい許してよね…こっちは恥ずかしいんだから」
「はいはい」

軽く受け流して歩みを進めた
唐突に豪炎寺は口を開いた

「まだ、怖いか」
「っ!!」

豪炎寺の言葉に驚き上を見上げると豪炎寺は苦笑していた

「やはりな」
「なんで…」
「体が震えてる。無理はするな」
「…ありがと」
「気にするな…っと着いたな」

保健室に入ると先生はいなかった
仕方なく豪炎寺は麗奈をベットに下ろして体温計を持ち出した

「取りあえず熱を計っておけ」
「さすが医者の息子」
「茶化すな」
「ごめんごめん」

麗奈は豪炎寺から体温計を受け取ると脇に差し込んだ
熱は無かった

「大丈夫か?」
「だいぶ落ち着いたかな…豪炎寺」
「何だ?」
「ごめんね?いつも助けてもらって」
「だから気にするな心配してるのは俺だけじゃないんだからな」
「え?」
「そろそろ出てきたらどうだ?」

豪炎寺がドアに向かって声をかけるとドアの前には不動と源田と鬼道が立っていた

「ばれてたか」
「3人共!!どうして…」
「俺らの教室の前が騒がしいから何かと思ったら豪炎寺と麗奈がいてな」
「それで不動が追うぞって言い始めて…」
「なっ!?俺のせいにすんなよ!!」
「いや、言いだしっぺお前だからな」
「んだとっ…!」

不動と鬼道が張り合ってる中源田は麗奈の所まで近寄った

「大丈夫か?」
「それ豪炎寺にも言われた」

クスクス笑う麗奈を見て源田はホッとした顔をした
あの時見た顔は青ざめていて震えていたから
源田は麗奈の頭を撫でた
本人は不思議そうな顔をした

「源田?」
「辛かったらいつでも頼れ、な?」
「うん、ありがとう」

麗奈はにっこり笑った

「それで俺の事は幸次郎で良い」
「え」
「じゃぁ俺も修也で良い」
「え」

なにを言い出すんだ的な顔をしたが2人の威圧に負けて頷いてしまった
豪…じゃなかった修也と幸次郎恐るべし

「さて、そろそろ教室に戻るか」
「そうだな。鬼道、不動行くぞ」
「置いてっちゃうよ」

まだ喧嘩している2人に声をかけ3人は保健室をでた

「「置いてくな!!」」

見事にはもった2人に麗奈はまた笑った
ちょっとだけだけど学校への恐怖感は薄れてきているみたいだ
4人はそれをみてホッと息をついた

「じゃぁまた部活でね。鬼道、修也、幸次郎」
「あぁ」
「また後でな」
「お前らいつの間に…」
「「お前らが喧嘩してるのが悪い」」
「……チッ」

4人が無言で睨みあっていると予鈴のチャイムが鳴った

「あ、予鈴」
「げ、次社会じゃねぇか」
「うわっ、あの先生めんどくさいんだよね」

愚痴を言いながら小走りで教室へと戻った
戻ったら戻ったで先生にこっぴどく怒られてしまった
ほとんど聞いて無かったけどね
早く部活に行きたいなんて思いながら先生の説教に相槌を打った

「お前ら聞いてるのか!!」
「「聞いてますよ」」
((聞いて無いなこれ…つぅか授業しろよ))

クラスメイトの心境は見事に一致した
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