revolutiongirl-革命少女-

□戻ってきたよ
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見慣れた髪が風を通して靡く
私はそれを横目で見ながら、携帯越しの言葉に眼前とする

『それほんと…?』

神[ほんともなにも一回トリップしてるんだからわかるでしょ]

『そうだけど、なんで私空からまっさかさまなのかな!!?そのなか電話してるのも中々おかしいよ!!?』

神[事情は下に着いてから話すよ。めんどくさいし]

『おい』

皆さんおひさしぶりです
覚えているでしょうか五嶋麗奈です。
私は今空を飛んでます…いや、落下してます
仕事帰りにさて施設へ帰ろうとしている途中、車のクラクションが聞こえたと思ったら次の瞬間には空からまっさかさま

『ほんと意味わからん』

神[さて誰を下敷きにしようかな]

『今物騒なこと言ったよね!!?というかワープとかそう言うのないの!?』

神[あ、その手があったか。じゃあ"ワープ!!"]

『忘れてたのかよ!!』

電話越しに指を鳴らす音が聞こえた次の瞬間、目の前が真っ白にひかり、私は目を瞑った
とりあえず、落下状態と言う恐怖体験させやがった神は殴ります
あ、あいつ姿現さないわ

『っ!!』

ふわりと地に着いた感覚がする
ご丁寧に履いていた靴がなく、ひやりと床の温度が伝わってくるので多分家の中だろう
ふっと目を開けると、以前使っていた家だった

神「はい着いた」

『え?』

あまりにも神の声が近すぎてまさかと思い後ろを見ると

神「大丈夫?」

心配そうに私の顔を覗き込んできたのは長身の美男子
綺麗な金色の髪と紫色の目が特徴的だった

『……誰?』

神「え、麗奈酷い」

『…まさか』

神「俺神だよ?」

な・ん・で・す・と

『意外な展開来たー…』

神「Σえ、意外なの!!?」

『よし、殴るね』

神「殴るの!?」







神「というわけ。分かった?」

『嘘…』

麗奈が聞いたものは彼女の想像をはるかに超えていた
麗奈は信号無視をした車にはねられそうになっている所を慌てて神が違う場所へと飛ばしたらしい
それは神の後輩である神が手元が狂って麗奈をはねようとしていたらしい
その時一瞬だけそいつに殺気が沸いたのはご愛嬌
ともかく神は慌てて別空間に移動させた結果、行きついた場所がこの世界だった

『イナズマイレブンから10年後の……イナズマイレブンGOの世界…』

神「そ、せめてもの償いというかなんというか」

神が言ってるのは最後の日だろう
不動に大事なことだけ言って消えてしまったのだから
不動の返事を聞かず

『……そっか』

「で、どうする?そろそろ修正が効いて戻れるだろうけど…本音を言えばここに居て俺の仕事を手伝って欲しいんだけど」

『…どういうこと…?』

神「君がこの世界に介入したことによってちょっと不安定で、色々めんどくさい事が起こっててね」

『つまり、その修正をしてほしいと』

神「まあ…簡単に言えば」

神は苦笑しながら頷いた
さらに言うと来年には本格的にGOの舞台がはじまるそうなのだ
そうなると誤りが出て来てしまうと他の世界に支障が出て来てしまう

『…どうせ最初からそのつもりでここにつれてきたんでしょ』

神「あ、ばれた?」

てへっと神はおちゃらけているが、麗奈は知っていた
彼が神の中でも最高位にいることは
麗奈が承諾すると彼は物凄く喜んでくれた
そしてくすりと笑った

『…何?』

神「いや…やっぱりその姿にして良かったなと」

『え』

神「鏡、見てごらん」

麗奈は鏡を取り出して自分の姿を見た
そこにいたのは、自分なようで自分でない姿が

『なっ…』

そこに映ったのは赤い髪に黄色の目の麗奈の姿だ
長い髪も面影がなく、首辺りまで短くなっていた
まさしくその姿は男のよう…

神「君ならそうゆうと思ったんだ。やっぱり思った通りだ」

『お前なぁ…』

神「ごめん。でも1年…いやホーリーロードが終わるまででもいいから、君には男装をしてサッカー部に入って欲しいんだ」

『なるほど…それでこの容姿か…でも声でばれない?』

容姿や髪が短くなった事には納得がいったが、それ以前に問題は声だった
今の声ではまんま女である

神「あ、そこは大丈夫」

『言い切ったな』

神「音声編成機があるから、それを付けてくれれば問題ないよ。ちなみに声のトーンは声優で言う森久保さん辺り」

『お前…私の好みを見通し過ぎ…』

はぁ…とため息を吐く彼女だが、心ではとても喜んでいた
またこの世界で暮らせるのだから
そしてまた仲間に会えるのだ

(突然消えたから怒っただろうな…
風介、晴矢、ヒロト、リュウジ、豪炎寺、アフロディ、鬼道……そして不動
私は帰ってきたよ。この世界に!!!)


神「あ、ちなみに君の名前は今度から水羽翠だ」

『水羽…翠…』

神「駄目かな?」

『いや、気に入った、ありがとうね』

神「そう…あ、そうだ麗奈」

『ん?』

神「はい、携帯。スマホにしちゃったけど連絡帳とかその他諸々のデータそのまま映してあるから問題ないと思うよ」

『あーそういやそんなのあったなぁ…そして最新型なのはありがたい…』

神が取り出した携帯を麗奈は受け取った
電源をつけ、軽く見ていると、メールの量が大変な事になっていた

『56960件!!?ざっと計算すると一人一日2件!!?』

神「計算早っ」

『そしてほとんどがいつもの奴ら!!?』

麗奈は驚きを隠せないでいた
彼女自身、自分の世界に戻ってから6か月ほどしか経っていないが、こっちからすると6年も経っているのだ
そんな彼女に神は苦笑しながら言った

神「…普通だったら範囲内を超えると消えるけど消したら駄目なやつばっかだったから残しといたよ」

『よく維持出来たね…』

最初のやつから読んでくと"何で黙ってた!!"とか"勝手に消えてくなよ!!"とかの文句だったが年が変わるごとに言葉は近状報告や早く戻って来いとかに変わっていった
そして麗奈はある事に気がついた

『不動からのが無い…?』

そうこの56960件の全部を探しても不動の名前は出てこなかったのだ

神「あー…不動君のは他のフォルダだよ」

『え?』

それを聞いて麗奈は一個戻ると違うフォルダが作成されていた
恐る恐るタップすると…

『全部不動から…しかも一人分なのに6570件…』

神「早く開きなよ。絶対びっくりするから」

『どうゆう事?』

神「良いから良いから」

神に急かされて最初から読んでいく
そこに書いてあった内容に思わず泣きそうになってしまった

『っ…』

神「ね?言ったとおりでしょ?」

『嘘…』

まず最初に書いてあったのは文句で馬鹿とかアホとか書いてあった
だけど2つ目を開いてみると書いてあったのはたった一言

"俺もお前が好きだ"

だった

『ふ…どう…』

その後も読んでいくとそれからは"会いたい"や"愛してる"ばっかりだった

『っふ…うぅ…』

神「麗奈は愛されてるねぇ…彼6年間ずっと君を思っていたんだから」

『うっ…ぐすっ…っ…』

泣いている麗奈を抱きしめながら背中を撫でる神
麗奈は落ち着いたのかシャックリをしながらも泣き止んだ

神「そうだ!!折角だから皆に帰ってきたってメール送れば?」

『そうだね…』

神に言われて麗奈早速一斉送信でメールを送ることにした
泣きはらした後で、画面の明るさが目に痛い

神「あ、不動君は電話ね」

ここで突然の爆弾投下に麗奈は頬を染める

『はぁ!!?なっ何言って…!!///』

神「いや好きな人には電話でしょ」

『〜っ///』

神「ほら、さっさとメール送って不動君に電話!!」

『あーもう分かったよ!!///』

自棄になった麗奈は急速にメールを送って不動に電話を掛けた

プルルル…プルルル…

呼び出し音が緊張を広げていく
思わずぎゅっと心臓のある部分を服越しに掴んだ

ガチャッ

不動[っ…もしもし…!?]

『っ!!』

2コールで不動がでた
名前は表示されるから誰かは解っているだろう
電話越しに不動の息遣いが聞こえてきた
懐かしい声が彼女の耳を刺激する
それは電話越しの不動もそうだろう

不動[…麗奈…だよな…?]

そういう声は震えに震えていた
かくいう彼女も今にも泣きだしそうだ

『……うんっ…』

不動[これ夢…とかじゃねぇよな…?]

『う、うん…』

久しぶりに聞く声に戸惑いながら二人はぽつぽつと言葉を重ねる

不動[帰って来たのか…?]

『うん』

不動[そうか……麗奈…]

『何……?』

不動[改めて……愛してる]

『っ///』

突然の告白に赤くなる麗奈
この場に不動がいたら間違いなくからかわれるだろうというぐらい赤かった
けれど麗奈は勇気を振り絞って紡ぐ
言わなければ、彼に申し訳ないと

『わ…私も…あ、愛してる…よ…////』

不動[っ…!!…お前、反則…]

『え…』

不動[…今すぐにでも抱きしめに行きたくなるだろ…]

『っ!!!////』

いつもなら絶対言わないであろう言葉をサラッと言いのけた不動
お陰で麗奈の顔は真っ赤で大変だった
神はソファでくつろぎながら、それを暖かく見守っていた
少しじじいくさい「酷いよ!?」

不動[今、仕事中だからそっちに行けねぇけど…今度会いに行くな?]

『……うん』

不動[麗奈…おかえり]

『…ただいま』

お互いの顔は見えていないが、二人して幸せそうな笑みを湛えていた
やっと…やっと伝えられて、伝わって、つながった
その時遠くで不動の名を呼ぶ声がする

『…あ』

不動[呼ばれた…な]

『……じゃあ、また』

そう紡いだ声は自分でも驚く位寂しげに言っていた
不動はそれに気づかないふりをしてじゃあなと言った

不動[あ]

『え』

不動[忘れもん]

そう言った次の瞬間、ちゅっというリップ音が

『!!?』

不動[愛してるぜ]

その言葉を最後にプツリ電話が切れた

『梶ボイスでそれは反則でしょぉぉぉぉ…』

数分、その場で悶えていた麗奈であった





さぁ、新しい物語の始まりだ




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