イナゴ
□バレンタイン・キッス
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プロローグ
「ついに…この日が…」
私は部屋のカレンダーを見て、ごくりと生唾を呑んだ
2/14…バレンタインデー当日
恋する乙女たちが勇気を出して、好いた男の子に告白する日…でもある
私的にはチョコレート会社の陰謀としか思ってなかった
「そう…過去形なんだよね…」
数日前から始まった世界大会…というより宇宙を救う戦い
もしかしたら地球が無くなってしまうかもしれない戦い
そんな中芽生えた恋心
ここで伝えずに死んでしまったら元も子もない…ので
「チョコを作ったわけだけど…」
正直、今まで好きな人なんていなかったわけだからどうすればいいか分かりはしない
だけど渡すしかない
「覚悟を決めなきゃ…」
私は彼に渡すチョコの紙袋を掴んで、部屋を出る
「よし……頑張るぞ…!!」
どちらに渡しますか?
剣城京介…P2
井吹宗正…P3