brave10

□ATTENTION!
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「六郎、来賓が来る。お茶の準備を。」
「できております。茶菓子は京都の八ッ橋を。」
「・・・お前はまことに有能な秘書じな。」
「本職は養護教諭ですが。」
「違う。本職はわしの恋人じゃ!!」
「・・・・」
「なんだ、その顔は。」
「いえ変なドラマでもご覧になったのかと。」
「恋人が不満か?では夫婦か!」
「突っ込む気もありません。・・・私はそろそろ。」
「まぁ待て。そう焦るでない。保健室などそんな危険地帯にわざわざいく必要はない。」
「私にとってここが危険地帯ですが。」
「そう言うな。ほれ、警戒した眼でわしを見るな。」
「・・・ちょっとっ!若!」
「構わん。少しじゃ。」
「来賓が来られるのでしょう!」
「まだ来てないだろう。わしは人肌が恋しい。」
「・・・今朝だってしたのに。」
「またそのようなことを言って、お前もやりたいのだろう・・・って、危ないっ!おい、拳を振り上げるな!」
「では、服の中の手を退かしてください!」
「いやじゃ!お前は校長の言うことがきけんのか!」
「論外です!」


「やべぇ・・・校長と六郎先生激しいな。」
「おい才蔵!何が見えるんだよ?!」
「われ、知りたい。」
「てめぇらにはまだはえぇよ・・・ってうわ・・校長獣・・・」
「なんだ、殺し合いか!」
「今何時代だっての。」
「われ、六郎、心配。」
「確かに心配だな。六郎先生とはいえ、何回もやられるのは腰に響くもんなぁ。」
「才蔵、さっきから何言ってやがる?・・ああっもうつまんねぇ!保健室いってくる!。」
「保健室なら開いてないぞ?」
「はぁ?いつもいつもなんだぁ?」
「校長が保健室立ち入り禁止令出してんだよ。俺もこの間入ろうとしたら、校長が子供は風の子だ、保健室など必要ないから帰れって追い返されたし。」
「校長、いつも保健室。校長室、いない。」
「保健室=校長室だからな。お前らよく聞け、六郎先生にちょっかい出すなよ。校長に見られたら、この高校には養護教諭までいなくなることになるんだからな。とくに授業中に保健室にいくのはNGだ。校長と六郎先生があんなことやこんなことをしてるからな。」
「へぇ、よく知ってますね才蔵?まるで見てきたみたいに。」
「げっ、先生。」
「貴方にはいろいろ伺いたいことがありますよ?この校長室のドアにはりついてる理由も。」
「か、勘弁して六郎先生。」
「あんなことやこんなことってなんだ?」
「鎌之助、佐助、教室に戻りなさい。才蔵は私と少し話しましょうか。」
「・・・うげ」
「どうした六郎?・・・おお才蔵か。お前も男じゃのぅ。仕方ない、お前も一緒に六郎を・・・」
「校長!」
「ろ、六郎待ってくれ!」
「待ちません!もう貴方に振り回されるのはこりごりです!才蔵、行きますよ!!」
「あ、ああ」
「待ってくれ六郎っ」



「なんだ、修羅場かぁ」
「ふふ、恋に争いはつきものよ。もう教師なんてやめようと思ってたけど、結構学校も楽しいものね。考え直そうかしら?」
「校長はともかく、六郎が不憫でならん。」
「六郎のあの顔と腰がいけないのよ。」
「注意するは校長ではなく六郎か。裏の校長は六郎といってもいいかもな。」
「六郎に拒まれた日はテストが実施される。六郎に左右される俺らも生徒も滑稽だな。」
「六郎にattention・・・だな」




    完 

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