人間泣き落としが出来るのはドラマとか小説の中だけ。実際にしてみても今のご時世そう簡単にはいかない。例えばお財布落として帰れないとか、浮気されて別れたから新しい恋に進みたいだとか、それくらいなら泣き落としも効くかもしれない。でも住む家がないから帰れるまで泊めてくれだとか、お金もないから暫く養ってくれだとかになると、同情はされても相当なお人好しでない限り受け入れてはくれない。別に私は反抗期とかで世の中に反発心を抱いてるわけじゃない。ただ実際に体験したってだけ。 リボーンの世界にトリップしても特別な出来事はありませんでした。いや、主要キャラの雲雀には一応会えたけど武器投げられて欠伸されて終わりました。もうある意味こうやって公園で一晩過ごしたのが特別な出来事かもしれない、うん。そんな特別は願ってもないし嬉しくもないけど。 さて、今日はどうしようか。とりあえずブラブラ歩いてキャラとのコンタクトを試みるか。ひとまず並中を探すのが無難か。そんなことを考えながら気合いを入れるためにも顔を洗おうと、水道へ足を運んだ。足でペダルを踏むと冷たい水が吹き上がる。それに直接顔を近付け洗おうと試みるが、痛っ！鼻、鼻に入った、水が！ツーンとした痛みに鼻を押さえる。気合いが入るどころか削がれたわ。まじで挫けそうだよ。しかもタオルがない。仕方ないから両手で肌をペチペチして自然乾燥。激しくやる気ダウン。 でも行動を起こさないと始まらないので、やる気がなくとも動いてみた。ひとまず並中行くか並中。雲雀に昨日の文句の一つや二つ言ってやろう。いや無理だけど咬み殺されたくないし。まぁ文句は言わないとしても並中には行こう。 ということで並中を訪れました。朝だから登校してる生徒がたくさんいて、その後ろを何食わぬ顔でついて行ったら無事到着しました。ストーカーと勘違いされて通報、なんてことにならなくて良かった。 出陣すべく門の所に立っていた先生に話しかけて、弟に忘れ物を届けにきたということで入れて貰いました。キャラとのコンタクトをはかるため沢田綱吉のクラスまで教えてもらったよ。２―Ａらしい。 このまま何事もなく沢田のクラスまで行くことが出来たら良かったのに、私は本当ツイてない。クラスまでの行き方聞くのを忘れてて、適当に歩いたら応接室に着いたとかそんな馬鹿な。とりあえず雲雀に見つかる前に回れ右、して後悔。あらやだご機嫌うるわしゅう雲雀。 〔ワオ、不法侵入かい？〕いやいや、ちゃんと来客カードつけてるよ。嘘ついて侵入したわけだけど。見えないのかしらアーハーン？〔…何の用だい〕私は声に出してないけど、雲雀はあたしが首から下げてる来客カードに気付いたようだ。何の用って、そうだ２-Ａ何処ですか。〔うちの生徒に何の用〕ちょっとしたコンタクトをとろうと思って。これからの住む場所とかのために。本当それだけで特に大きな危害はくわえないのでトンファーはしまっていただきたい。〔油売ってる暇があるならさっさと帰れる方法見つけたらどうだい〕私は油売ってるわけじゃなくて、ひとまず生きていくための衣食住をゲットしようと思ってだな…。逆を言えば雲雀が私を保護してくれたらキャラとのコンタクトをとろうとはしなかったよ、うん。どうにかして保護してくれないかな。あー、そうだ。 …ぐすっ、私は早く帰りたいけど、ま、全く方法が分かんないし。し、知らない土地で不安だから、せめて誰かに側に居てほしくて、ひっく。それにもしかしたらこうやっていろんな人(主要キャラ)に会うことで、何か分かるかもしれないから…ぐす。でも、本当は、知らない人に会うのは怖い。少しでも話したことがある人がいいんだけど…。 …よし、私の名演技できっと雲雀も心動かされただろう。〔ふわあ、話は終わったかい。そうだ、草食動物たちはもう一つ上の階だから。あまり長居してるといくら来客カードつけてても咬み殺す〕くっそ、また欠伸しやがった！乙女の涙に心揺さぶられないなんてこの冷血人間め。お願いだから泊めてください〔今から草食動物たちに会いに行くんだろう。なら僕じゃなくそいつらに頼めばいい〕乗りかかった船じゃないか、最後まで面倒みやがれみてください。〈そんな船は壊す〉えええ、壊しといて放置？放置？それって船に乗ってる人はどうしろと。〔自力で泳いで岸に上がればいいじゃないか。僕はそこまで面倒はみない〕そこまでも何も最初から面倒みてくれてませんが。壊すだけ壊して自分で何とかしろって鬼畜。それなら壊さず放置してくれた方が良かったわアホ。〔僕は見回りがあるから。じゃあね〕 雲雀は最後にまた、くあっと欠伸をして去っていきました。私は一人ぽつんと廊下に取り残されました。この嘘泣きで真っ赤になった目、どうしよう。 この後私は小さな赤ん坊に、雲雀に喧嘩を売る女と興味をもたれて、無事沢田と接触。雲雀には効果がなかった泣き落としも超お人好しな沢田には効いて、なんとか食住ゲット。 ただ、雲雀との接触が腑に落ちないものなので、また近々再度コンタクトをとってみようと思いました。それまでに泣き落とし以外で雲雀の心を揺さぶれる技を習得してやる。覚悟しとけ雲雀このやろう。 現実なんてそんなもん →謝罪 2012.06.26 |