ころしやものがたり

□第1話 高町切嗣
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 真っ黒な空間に自分が浮かんでいるのがボンヤリと分かった。


 その空間には無数の顔が浮かび上がっている。

 憤怒、憎悪、嫉妬、絶望、恐怖

 種類も数も数えきれない悪意が一斉に僕に呪いの言葉をかける。


■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね■ね


 やれやれ、とため息もつきたくなった。死してなお呪われ続けるのはどうも面倒だ、死ぬまでじゃなかったのだろうか?と何故かそんなことをボヤく余裕すらあった。
ともあれ、自分の妻に会いたいという考えがのっけから駄目になってしまった。

 そして自分の体が暗闇に飲まれていく。体の末端がどんどん食われて行くかのように黒に染まっていくが痛みも恐怖も感じない、コレが自分の最期か、お似合いだなと自嘲するような笑みを浮かべたその時。


 一筋の光が僕を照らした。



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