ころしやものがたり
□第1話 高町切嗣
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下の階が異様に騒がしい。なのはの家族が暴れているのだろうか?とりあえず階段を降りるながら周りを見てみると、物がキチンと整理されていてとても気持ちがいい。自分が住んでいた家は整理されているというより物が無かったため、整頓されているというより物寂しいという印象なので、こういう感覚は久しぶりだ。
一階に降りると、二人の男性がなのはに迫った。
「なのは!なにもされなかったかい!?」
「へっ?う、うん、大丈夫だよ?」
なのははビックリしながら答える。僕が何かをしたのかと疑われているのが分かったため、僕は思わず苦笑いした。
「娘さんには手は出してませんよ、ご安心ください」
「なに!なのはに魅力が無いと言いたいのか?!」
ならどう答えればいいんだ。まあ、父として気持ちは分からなくも無い。僕だって士郎やイリヤにはいい人と結婚させたい、いやむしろ士郎とイリヤを結婚させる手もある。あ、これは名案だ、そうだそうしよう。
まあ今はそれはおいておくとしよう。すると、敵意剥き出しの二人の頭に綺麗な肌の手が置かれた。栗色の髪の毛の女性のものだ。どこかなのはに似ている、なのはが成長するとこの人のようになるのだろうと思った。彼女は素敵な笑顔をしているが何故か背筋が凍りそうな悪寒がした。
「二人とも、ちょっと"おはなし"しましょうか」
のちに僕は今まで生きてきた中で戦場でもこんな恐怖を感じたことは無かったと語ることとなった。