夢小説

□第4.5話 足立さん視点 答え合わせ
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倉庫の扉の前に着いて、森田から鍵をもらい開けるよう堂島さんに言われた。
興奮して、鍵を持つ手が震える。
震える俺を見て堂島さんは、怖がってると勘違いしたのか「大丈夫だ。落ち着いて開けるんだ」と俺を励ましてくれた。

ごめんなさい堂島さん。僕は…悪い部下ですね。

ガチャリと音がして扉が開く。
中に居たのは、泣いている半裸の真白に跨って、スラックスを下ろそうとしている小林の間抜けな顔。
心のどこかで安堵している自分がいた。
「ち、違うんだ!誤解だ!こいつから迫ってきたんだ!俺は何もしてない!」
情けない格好のまま、身振り手振りで自分は何もしていないと主張する小林を見て、吹き出しそうになった。
この状態を見て無実だと言うのは無理があるだろう。
「離れろ」
「え?」
「いいから杉田から離れろ!殴られたいのか!!」
「ひ、ひいぃぃぃぃ!!」
その時の堂島さんの怒号は凄かった。
堂島さんのそばにいた全員が耳を塞いでしまうほどだ。
可哀想な近くのモブは、自分が怒られた訳でもないのに青ざめている。
怒鳴られた小林は、すごい勢いで俺達を突き飛ばすと走って逃げていった。
「おい何してる!小林を追え!」
堂島さんは鋭い舌打ちをすると、扉の近くにぼーっと突っ立ていたモブの人々に指示を出し、彼らは慌てて小林を追いかけて行ってしまった。
残されたのは…まだ半裸のまま倒れた真白と堂島さんと俺だけ…。


袖口で乱暴に涙を拭って、いつも通りの対応をしようとする真白に着ていた上着を投げて寄越す。
そんな些細なことで真白は少し安堵したように笑った。
それでも強がる彼女を安心させるために……
いや、確実に落とすためにわざわざ膝立ちになって頭を撫でて抱きしめてやった。
泣きじゃくる彼女を宥めながら(チョロいな〜)と、歪む顔を抑えることが出来なかった。
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