夢小説

□第4.5話 足立さん視点 答え合わせ
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身だしなみを整えた真白を半ば強引に、医務室に連れて行き処置をする。
早退するよう促す堂島さんの味方について、逃げ道を塞いだ。
案の定、折れた彼女を俺が送っていくことに。
警察署を出ると、空はどんよりと曇っていて雨が降りそうだった。
堂島さんから借りた車に彼女を乗せて、家までの道を急ぐ。
そう言えば、聞きたいことがあった。
「ねぇ。この前、僕の携帯に連絡先を入れてくれてたけど…なんで?」
「あぁ。お互いに連絡先を知らないと不便じゃないですか。それに、私たちは相棒なんですから」
「ふーん。相棒ねぇ。それってどっかの刑事ドラマとかの影響?」
「いけませんか?相棒。かっこいいじゃないですか!」
「僕は相棒より恋人の方が嬉しいけど」
「はいはい。冗談も休み休み言ってください」
冗談じゃないんだけどなぁ。と思いながら彼女の道案内で家までの道を進んでいった。




しかし、着いた先は予想外のところだった。
まさか、同じアパートだったなんて!!
なんて切り出せばいいのか迷っていると、彼女が捲し立てるので仕方なく白状した。
「僕もここに住んでるんだ」
その時の真白の顔は傑作だった。
写真に収めたかったけどきっと怒られるので、頭の中だけで留めることに。
驚き固まっている彼女を無視して、引越しの挨拶と握手を求めた。
しかし、差し出した手に手を重ねられることなく、手の代わりにあるレシートを握らせてくれた。
それは昨日、作らせたロールキャベツの材料費で…。
車内の会話で薄々気がついてはいたが、ここまでとは……。
さぁ、次はどうやって好きになってもらおう、と考えながらレシートとにらめっこをしている間に彼女は帰ったみたいだ。
ちらりと横目で確認すると、同じ階の右端に住んでいることが分かった。



いい考えは浮かばなかったが、住んでいる場所も家も分かっただけ収穫だ。
さて、そろそろ帰るかと車に乗ったタイミングで携帯が鳴った。
名前を確認すると、堂島さんからだった。
「もしもし?堂島さん?どうしたんです?」
「小林が捕まった。だが、小林はどうしてもお前と話がしたいらしい。すぐに帰ってこい」
「?はい」
そうか、小林は捕まったのか。
ま、俺には関係ないかな。と思いつつ、言われた通り帰ることにした。
どんよりと曇った空からは、パラパラと雨が降り出していた。
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