澤村大地
□虫よけTシャツ
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東京合宿最終日。
澤村「これは…偶然聞いた話だから黙っておく
べきかと思ったんだが…
この練習試合全部終わったら、
監督達のオゴリでバーベキューらしいぞ」
♪「「お肉肉肉 お肉肉〜!
合わせて肉肉 お肉肉!
お肉万歳 元気百倍
フゥッフゥーッ
お肉神様 お肉神様!」」♪
バーベキューと聞き気合十分で挑んだ烏野。
しかし練習試合の結果は負け。
チームの皆はキャプテンの掛け声と共に、ペナル
ティのフライングを始めた。
清水「さぁ、私達はバーベキューの準備にかかろ
うか!」
「はい」
谷地「はい!」
フライングを見届けてから、潔子さんと仁花ちゃんと共に調理場へ向かった。
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他校のマネージャーさん達と共に、野菜を切ったり、おにぎりを握ったり、飲み物やお皿を用意したり、忙しく動きまわった。
一段落した所へ彼が来た。
澤村「お疲れ。忙しい所すまん、飲み物貰っても
いいか?」
清水「ソラちゃん行ってくれる?」
「あ、はい!」
私達の関係は烏野のチームメイト皆が知っているので、潔子さんは気を遣ってくれたようだ。
潔子さんにお礼を言って、飲み物を手にその場を離れた。
澤村「ソラ、暑い中ご苦労様。大丈夫か?」
彼が二人きりの時の呼び方で私を心配してくれた。
「大地さんこそ大丈夫ですか?
暑い中練習してるから、熱中症にならないよう
にして下さいね。」
澤村「あぁ、ありがとな!
と、ところでさ…えーっと……
バーベキューの間、あのTシャツを着てくれ
ないかな?」
少し言いにくそうに、目をそらしながら彼は言った。
「え!?あっ!アレを?」
澤村「バーベキューの間、他校の男子に絡まれて
ほしくないんだよ…。」
少しだけ眉間にしわを寄せて彼が言った。
これから絡んでくるやも知れぬだれかにヤキモチを焼いているようだ。
私はそんな彼の様子が可愛らしくて愛おしくてたまらない。
「ふふっ。わかりました!着替えてきますね。」
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