ドラマ展開にしてみよう

□6話 急展開
1ページ/1ページ




side sayaka


どうしよ。というか、なんで図書室に太田さんを呼んだのだろう。いや、そんなのはどうでもいいとして。

なにをしたらいいのだろう。図書室の掃除なんて、やる必要ないし、他に何かしないと、気まずいよな。もう。どうしたらいい!!






午後の授業に集中できないまま、放課後になってしまった。でも、私が取り付けた約束だから、行くしかない。
秘書さんに鍵を借り図書室に向かう。さりげなく嘘をついてしまったが、今回だけ許してほしい。



本を読んで待っていると、コンコンという音が聞こえた。太田さんだ、やばい緊張してきた。


「、、、、今日は図書室閉まってるんですね。」

『うん、まぁ清掃やしな』

「二人でですか?」

『ん、、そうやけど。ダメなん?』

「ふふ、ダメって言ってないですよ」


言ってることが矛盾してて、それがバレたのが恥ずかしくて強がっていると、太田さんは微笑んだ。やっぱり最近表情が柔らかくなった気がする、


「それで、何の話ですか?掃除なんてしないですよね」

『この前さ、非常階段で植村さんと何してたん?』


実は少し前、いつも通り太田さんとお弁当を食べるため非常階段へ向かった。そしたら、非常階段の扉が開いていてそこから違和感があった。覗いてみると、太田さんと植村さんが抱き合っていた。普段クラスの人とは一定の距離を保っている太田さんが人のことを抱きしめている。

胸がざわついた。太田さんが誰かと密着しているのが嫌だった。すごく嫌や。


「え?、、えっと、、先生には関係ないことですよね?」

『、、、せやけど、、、。』


まさか、そんな突き放すような言い方をされるとは思っていなかった。胸が痛い。


「、、、梓とは何もないですよ。あれは梓が彼氏に振られて泣いてたので、慰めてただけです。そもそも、梓は幼馴染だから先生が思ってるような関係じゃないです。」


太田さんの発言に安堵した。太田さんには一喜一憂させられる。私多分太田さんに恋してる。太田さんと一緒にいると胸がドキドキする。恋なんて、いつぶりだろう。


『そんなに聞いてないで』

「そうですか?でも、先生の顔は聞いてきましたよ」

『は?』

「先生私のこと好きでしょ?」

『ええぇぇぇ!?』


太田さんの発言に声が出てしまった。さすがに唐突過ぎてびっくりしている。しかも何その顔!!いたずらっぽい子悪魔みたいな顔、なんて返していいのか分からず、オロオロしているとソファに押し倒された。


いやいや、何この展開おかしいやろ!?さっきまで普通に話してたやんか。距離近いし、、


『太田さん?!』

「、、、、」


静かに太田さんの顔が近づいてくる。顔きれい、、、どこの国の王子様やねん。私今からキスされるんやと思い目を瞑る。








いくら待っても何も起きず、目を開けるとおでこにやわらかい感触がした。



えぇえ?!!キスされた?おでこにキスされたよな???


「ふふ、先生って可愛いですね。」


笑ってる。可愛いって言われてる。なんでそんな顔してんの。ほんまになんなんさっきから、胸のドキドキが止まらんねん。


『からかわんといて』


私の精一杯の強がりだった。今多分顔真っ赤だ。顔も体もとくにおでこが熱い。いきなりのことが重なりすぎて戸惑っていると太田さんが何か言っていた。


「彩先生って呼ぶのもいいですね。」

『なに、どしたん?』

「さやかちゃんでもいいですよね。」

『ちょっ///』


また突拍子のないことを。彩ちゃんなんて呼ばれなれてないし、いきなりすぎるし、もうドキドキしすぎてムカついてきた。恋ってこんなんやっけ。


「やっぱり、可愛いですね。用事あるので、帰りますね。さやかちゃん!」


嵐のように帰っていった彼女に呆気をとられる。気持ちが交差しすぎてて何がなんなのかわからないまま固まっていた。


今の夢?






..


次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ