ドラマ展開にしてみよう

□8話 難しい課題
1ページ/1ページ

yuuri


今日は文化祭の一日準備だ。今はお昼になるけど、山本先生のことは見ていない。なんなら、宮澤先生のことも。

生徒たちのイベントだから、教師が口出しする必要はないよね〜とか意味の分からないことを言っていた気がする。サボるための口実なのは見え透いている。

午前中に買出しを終えて衣装係や飾り付け係がちゃくちゃくと準備をしている中、一軍の男子どもは他のクラスに行って遊んでいる。これも含めて文化祭準備だ。
ちなみに私は買出し係で、仕事は終わったので手伝いなどをしている。

「太田さん!」


『どうしたの?』


衣装係の子に話しかけられた。


「衣装どれがいいかな?太田さんには執事をやってもらうから、どっちか選んでほしい」


そう言って見せられたのはウェストコートとネクタイの服と、クロスタイとジャケットの服だった。正直どっちでもいいし、なんなら私が執事服を着るのを今日はじめて知った。

というか私なんかが執事をやっていいのだろうか。私みたいな静かなタイプは裏方で料理を作る担当なのではないのだろうか。


「私はクロスタイのほうが似合うと思うんだ!!太田さんはジャケット似合うと思うから!なんなら、ジャケットにネクタイでもいいし」


『私はよくわかんないから、そっちが決めてくれるとありがたいかな。』


「分かった!ありがとね」


わからんわからん。何でジャケットが似合うと思うんだ?すごいな女子って。普段楽な古着としか着ないからなぁ。




「みんなぁ〜〜!!!頑張ってる?」


うわ、山本先生だ。見かけないなぁとか思ってたはずなのに、会うとびっくりするぐらい気まずい。


「先生今までどこにいたんですか〜」

「教師にもやらなきゃあかんお仕事ってあんねん。」

「なんですかそれ笑」

「みんな頑張ってるなぁ、めっちゃ喫茶店ぽいで」


女子ときゃっきゃしている先生が振り向いて目が合った。苦笑いとも目が合った。やっぱり気まずいよな。

その空気感に堪えられず、私は非常階段に向かった。そこも気まずい空間だと分かっていたのにもかかわらずだ。

どうしても、一人になりたかった。今の私には先生がいない空間が必要なのだと思う。でも、先生はそうさせてくれないみたいだ。


「.....太田さん、大丈夫?」


マジかぁ。ここにまで現れるか山本先生。これはもう、ストーカーじゃないか?なんて心の中でおちゃらけた。


『先生、、、、、なんで?』

「いや、いきなり外に走って行ったから、心配になるやろ」

『そうですかね。』

「どうしたん?体調でも悪いん?」

『....別に』

「なんやねん別にって」


とか言いながら笑っているけど、先生は一回もこちらを向いてくれなかった。こりゃ嫌われたな。うん。嫌われた。

でも最後のいたずらとしてからかおうかな。


『先生って可愛いですよね。』

「え?」

『いや、だって私のことが気になってここまで追いかけてきたんですよね?』

「うん、心配やったし」

『私にあのことは忘れてほしいって言っといて付きまとうんですか?』

「付きまっとてるとかではないやろ」

『やっぱり先生はわたしのことが好きですよね』


最大限にクールぶってこれが限界かもしれない。もう、やめようかな。冗談ですよとか言って先生から逃げよう。

なんか先生顔赤いけど。。。。これって照れてる?私のことが嫌いなわけではないのかな。。

『先生...?』

「........な、、なに?」

『いや、なんもないです。』

私は気まずくなって、そそくさとその場を出た。さすがに今の反応されたら、期待するじゃん。意味わかんない。



.....


前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ