砂の城

□システム・レッド
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言葉が詰まる。
視界が滲む。
泣きそう、だ。




…システム・レッド





だってさ、そうじゃない。
私が悪いんだよね、時間に間に合わなかったんだもん。でも、4時までって言ってたじゃない、それがいつの間に3時よ、何それイジメ?教えてよ!!

「単位落とした―!!」
「何叫んでんの、不吉な」
「絶対に落とした!!」
「何で涙目なん?」
「もう嫌だ―――!!」
「はいはい、解ったから黙る。迷惑やんか」

私は振り返ってそのまま眼鏡の胸へと飛び込んだ。あったかい…。
眼鏡―忍足は、私を抱き締め返してくれる。

「ど―したん?」
「レポート、受け取り拒否された」
「何で?」
「時間過ぎたから!!」

言うと、忍足は、あ――、という表情をした。哀れみが混じったような顔は、腹立つ。

「箱、出てたなぁ…」
「…出てなかったもん」
「……お疲れさん」

ポンポン、と頭を撫でられる。あんまりその手が優しかったから、何だかまた泣きたくなってきた。


「次、頑張りや」


私はうん、と答えながら、きっとまたギリギリなんだろうなと思ったのだった。










忍足夢?
あまりにも悔しかったので。


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