short stories

□shock me
4ページ/7ページ




「おまえ・・・何かしたんか?」

「いえ、何もしてないんですけど。
なんかだんだん、
面倒とまでは言わないけど
義務感みたいになっちゃって
それが態度に出ちゃったんですね、
きっと。」



「ふうん、おまえもそうなん?」

「おまえもって、錦戸くんも?」



「うーん。
最初はええんやけど、
なんか億劫になってしまうんやな。
なんでやろ?」


「なんででしょう?
確かに、
仕事が忙しいとか、
おおっぴらに会えないとか
そういうことはあるんですけど、
でも障害があればあるほど
燃えるっていうのもあるじゃないですか。
遠距離恋愛してるカップルだって
いっぱいいるわけだし。」



「そうやろ?
実は俺、もう自信なくしとんのよ。
このままだと、俺、
誰ともまともに付き合えんのじゃないやろかって
一生この調子で、
気づいたらひとりになってしまうんやないかって」



「えー・・・どうしたんですか?
珍しく弱気で・・・
そんなことはないとは思いますよ。
きっとまだ、
<本気>になれる人と
出会えてないだけだと思います」



「<本気>か・・・」



「きっといつか、錦戸くんにも、
<本気>で
なりふりかまわず好きになっちゃう人が
できますって」


「増田・・・」



「今までは、一番大切な、
かけがえの無い人に出会うための
<レッスン>だったんですよ、
なーんてね。」




.

次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ