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□cherish 21
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141 night cruise*1
「なあ･･･」
「ん？」
「たまには、その･･･ドライブとかに行きませんか？」
「え、今から？」
「うん。」
「･･･車で？」
「なに言うとんの。
ドライブって言うたら車にきまっとるやろ？」
突然どうしたの？
そういえば少し前に
「たまにはどこかデートとか行きたいなー･･･」
って、ちょっと甘えてみたこと、あったけど･･･
でも･･･
「車かぁ･･･
車はねぇ･･･」
「車がどうかした？」
「だって･･･」
「だって･･･
なんや？」
「また、かたっぽだけのピアスとか、
長い髪の毛とか、
丸文字のレーベルとか、
口紅とかがついたティッシュとか
怪しいところのレシートとか･･･」
「き、今日は大丈夫！
なんもありませんっ！」
「ほんとに？」
「絶対何もありません。」
へぇ･･･
掃除でもしたの？
めずらし･･･
「そういえば、今日は珍しく
飲んで無かったね？」
「ああ。」
それって、もしかしたらもしかして
このためだった？
ふ〜ん･･･なら、ちょっと嬉しいかも･･･
「･･･じゃあ、行こっか？」
「うん、行こ、行こ。
ほら、早く！」
ぶっ･･･
なんか機嫌いいんだ。
いったいどうしたの？
でも、残念ながら彼のその上機嫌の理由は
ボクとの＜デート＞のためではなかった。
駐車場に降りてみたら指定席に鎮座していたのは、
まったく見覚えのない車･･･
ピッカピカに光り輝く新車だった。
to be continued