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□cherish 8
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21 probably






「俺は、
おまえのことが
・・・好き・・・
なのかもしれん・・・」






そのなんとも曖昧な言葉を告げられたのは
二年前のちょうどこんな雨の日だった。




ポケットに手を突っ込んで
視線は斜め前方横向きで


いつも以上にかすれた声で・・・





<なんですか、
その『かもしれん』っていうの・・・>




そう文句を言おうとしたんだけれど
そのあとすぐ顔がまっすぐこちらに向いて
目と目があって、
じっと見つめられたら


何も言えなくなった。




その曖昧さをあえて付け加えた
意味と意図が
わかってしまったから。




返事もできなかった・・・と思う。






そう・・・

はっきり言い切るなんて
危険すぎる。



ボクたちの恋は、
そんな恋だから・・・






そして
あれから二年が過ぎた。






「まだ・・・『かもしれん』?」


「・・・ああ・・・そやな。」


「・・・そっか・・・
そだよね・・・」





ため息を隠すために立ち上がったボクの背中に

声がかかった。




「前の方は変わったけどな」


「え?」





振り向いたボクを突き刺す視線と言葉。







「愛してる
・・・のかもしれん・・・
おまえのこと・・・」






また、何も言えなくなった・・・












20070526

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