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□cherish 24
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「おつか…」


「ちょっと・・・待って・・・」





ライブ後の興奮も漸く治まり、支度を整えて楽屋を後にしようとしたその背中を、囁き声で引き止められた。





「あんだよっ!」





振り向いて少しキレ気味に問い返すと
声の主からはさっきまでのおちゃらけた笑顔はすっかり消えていて
やけに真面目な顔で楽屋の奥を指差している。





「あれ…
どうするの?」






その指の先には、
まだ一人メンバーが残っていた。



終演してすでに何時間か経過し
いつも一番支度の遅いそのメンバーも
さすがにもうあとは帰るだけとなっているはずだった。






「おい、おまえ、なにして…」





といいかけて言葉を飲み込んだ。








彼は鏡を拭いていた。





何枚かのティッシュを重ねて

時折息を吹きかけながら、

上から下、
端から端、

何度も何度も
丁寧に。





自分のではなく


さっきまで隣にいたひとが使った鏡を



いとおしむように

何度も何度も


拭いていた。










to be continued

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