short stories

□charge
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charge
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「・・・悪い・・・ちょっと休ませ・・・」



「え・・・?」




カメリハを終え、本番までの休憩時間、
先に戻ってソファに座ってたボクの隣に
ドカッと座り込んだ錦戸くん。


背もたれに頭を乗せて大きく息を吐いたと思ったら、
耐え切れなくなったように
そのまま体を横に倒し・・・目を閉じてしまった。




なぜか・・・っていうか
当然・・・のように


その頭は
ボクのひざの上で・・・





えっと・・・

え・・・と・・・





「20分・・・いや15分。」


「は、はい・・・」






「おっ!膝枕!」


「マッスーの膝、気持ちよさそうだもんなー、いいなー。」


「マッスー、俺もー。」




「ダメ、俺の。」


「亮ちゃん、ずりーよ!」




「・・・・」


「・・・せ、先着1名限定・・・
なんちゃって・・・
・・・ハハ・・・」





注目の人物はみんなに背を向け、
もう、寝息をたてはじめようとしていて、
みんなに顔を見られているボクは、しょうがなしに
引きつった笑いを返した。





えーっと・・・

ということは・・・




ボクもこのまま動けないっていうこと?


あの・・・?



ちょっとおなかすいたから、
差し入れのプリン、食べたかったし、
もう一度髪洗って、セットしなおして、
のどにスチーム当てて、発声練習も・・・




・・・無理ですか?

無理ですね・・・

はい。







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